基礎自治体である市町村には、厳しい財政事情の下で業務効率化や行政サービス拡充への要求が高まっている。当時の全国最年少市長として31歳の若さで就任した熊谷俊人千葉市長は、自らCIO(情報統括管理者)に就き、ICTの活用による業務プロセス改革を推し進めている。基礎自治体でのICT活用のあり方や課題を聞いた。(聞き手は本誌編集長、井出 一仁) 市長就任後にCIOを設置し自ら就いた背景や理由は。 市長に就任して、ICTを市政全体にスピーディに反映していくにはCIOが必要だし、予算確保や他局への指示のためには少なくとも最初はトップダウンでやらなければならないと考えました。CIOを補佐する情報政策課も、関連部署を集め情報統括部へと格上げしました。 ICTで市政の全体最適化を実現するには、各部署の業務を多かれ少なかれ変えてもらう必要があります。そのとき組織の中でのパワーは非常に重要です。ボトムアップでは