『日本沈没』『復活の日』を手がけたSF作家・小松左京とは何者か。展覧会「小松左京展―D計画―」が世田谷文学館で開催『日本沈没』『復活の日』など、壮大なスケールのSF小説の数々で人気を誇る作家・小松左京。SFの世界に希望を抱き、災害や世界の変化を描き続けたその活動の軌跡を、多彩な資料でたどる展覧会「小松左京展―D計画―」が世田谷文学館で開催される。会期は10月12日~12月22日。 「宇宙にとって知性とは何なのか。そしてその知性が虜になる「文学」とは何なのか。やはりこう言っておこう。SFとは文学の中の文学である。そして、SFとは希望である――と」。自著『SF魂』のなかでこう語るのは、小説家・小松左京(1931~2011)だ。 小松は京都大学でイタリア文学を学び、在学中から文学活動を開始。後に芥川賞を受賞する高橋和巳と出会い、親交を深める。卒業後は経済誌の記者や放送作家などを経て、1959年に