2019年10月8日、東京芸術劇場プレイハウスにてNODA・MAP第23回公演『「Q」:A Night At The Kabuki』が開幕した。作・演出は野田秀樹、そして使用楽曲は昨年公開の映画『ボヘミアン・ラプソディ』が記録的な大ヒットとなり再ブームを巻き起こした、言わずと知れたイギリスのロックバンド・クイーンのアルバム『オペラ座の夜』(原題:A Night At The Opera)に収録された全楽曲だ。 野田はシェイクスピアの名作『ロミオとジュリエット』の時と場所を12世紀の日本に置き換え、ジュリエットを「源の愁里愛(じゅりえ)」、ロミオを「平の瑯壬生(ろうみお)」という名前にして、モンタギュー家とキャピュレット家の争いならぬ、源氏と平家の争いに翻弄される2人の悲恋の物語に仕立てた。そこに「もし、ロミオとジュリエットが生きていたならば……」という奇想天外な発想を盛り込み、命を落として