『虎に翼』(NHK総合)第11週では、寅子(伊藤沙莉)たちが家庭裁判所(以下「家裁」)の設立に向けて奔走する。家裁は私たちにとってもっとも身近な裁判所かもしれない。一般人が裁判所に行く機会は多くない。傍聴を趣味にしている人を除けば、会社を経営していたり、事件や事故に巻き込まれたりしなければ、なかなか裁判所に足が向くことはないだろう。 家裁は少年事件と家事事件に特化した裁判所で各都道府県に設置されている。2014年からは、ハーグ条約に基づく子どもの返還や面会交流に関する紛争も担当する。少年事件は、18歳未満の少年と18、19歳の特定少年が対象となる。家事事件は離婚、遺産分割、養子縁組など家庭内の問題を扱う。相続や婚姻にまつわるトラブルは誰でも起こりうることであり、個人間で対処しきれない場合、家裁に足を踏み入れることになる。 民事や刑事の事件は公開の法廷で審理される。これは憲法で保障された裁判
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