共通言語化やコミュニティーの弱体化で使用される機会が激減し、地域の暮らしと共にあった多くの方言が衰退しつつある。特に東日本大震災の被災地でその傾向が顕著だ。消滅の危機を防ぐため、筆者らはかけがえのない東北方言を記録する活動を行っている。 日本列島ではさまざまな方言が話されている。ある研究者の分類によれば、日本列島は北から南まで24個の方言に区画される。しかし、これは非常に大まかな区分であり、具体的な単語や文法の違いに注目すれば、全ての市町村、いや集落ごとに方言が異なると言っても過言ではない。 そうした方言は、かつては田舎者の象徴であり、蔑視の対象となっていたが、近年ではその評価は逆転し、温かさや親しみを感じさせるものと受け止められるようになってきた。相手との距離感を縮め、楽しく交流するためのコミュニケーションツールとして、効果的に方言が活用されている。商品のネーミングに使用されたり、ドラマ
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