「分断」をめぐる都医・尾﨑会長の苛立ちと覚悟 新型コロナ禍で政府、世論と闘い続けた男の300日 2020/12/29 連載 : エトセトラ 新型コロナウイルス禍に翻弄されるなか、政府に対して辛口の提言を続けているのが、東京都医師会の尾﨑治夫会長だ。年末ギリギリまでメディアに引っ張りだこだが、10ヵ月にわたって取材を続けてきた筆者は、ここへきて尾﨑氏が、かつてないほど苛立っているのを感じる。真剣に自粛に取り組む人がいる一方、「単なるかぜでしょ」と、一部の偏った情報を信じる人たちとの間で分断化が進み、繁華街の人出も減らない。東京の新規感染者数が1日1000人に達する勢いを見せているなか、尾﨑氏は、自身の訴えが都民に届かないもどかしさを感じているようだ。この1年を振り返るとともに、尾﨑氏の言う「分断」の意味を考えてみた。 「もう低姿勢はやめる」 東京都の1日あたりの新規感染者数が、はじめて500