1966年12 月3日付けの『ビルボード』誌の記事が、(コロンビアからアトランティックへの)この移籍を公式なものとして報じた。写真の下に添えられたキャプションにはこう綴られている。「アトランティック・レコード副社長ジェリー・ウェクスラーがブルース・シンガーのアレサ・フランクリンと独占契約を締結。上から見守るのは、彼女のマネージャーのテッド・ホワイト。アトランティックからのデビュー作は1月に発売の予定」 「テッドとアレサに、ジム・スチュアートではなく私がプロデュースをすると説明すると、ふたりに異論はなく、どこかほっとしているようにさえ見えた」とウェクスラーは言った。「アトランティックのボスのひとりがじきじきにスタジオに入るという考えが気に入ったんだろう。続いて、スタジオはどうするかという話になった。ふたりはニューヨークで録音したがった。私は長口舌を振るってマッスル・ショールズにしろと力説した