南半球勢の強さが目立ったラグビーワールドカップフランス大会は、南アフリカが史上最多4度目の優勝を果たして幕を閉じた。大会を振り返り、解析技術が進んだラグビーの新潮流と、ベスト8進出がかなわなかった日本代表のさらなる進化のための課題を検証する。 南アフリカ4度目の戴冠を支えた分析能力 ラグビーワールドカップ2023は決勝で南アフリカ(南ア)がニュージーランド(NZ)を破り、2019年日本大会に続く2連覇を飾って幕を閉じた。南アは4度目の優勝となり、3度で並んでいたNZを抜き単独最多となった。 優勝した南アが際立っていたのは接戦を勝ち切る強さだ。準々決勝のフランス戦が29-28、準決勝のイングランド戦が16-15、決勝のNZ戦が12-11と、すべて1点差の勝利だった。 また、南アは日本大会に続き、プール戦で1敗を喫し、2位で通過しながらの優勝。それ以前の8大会ではすべて、プール戦から全勝したチ