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ブックマーク / d.hatena.ne.jp/FUKAMACHI (6)

  • 正しい東映印の高品質「探偵はBARにいる」 - 深町秋生の序二段日記

    もう最近は多忙のうえに不眠症。酒も飲めずにガタガタな日々が続いている。 けれど、大泉洋のファン(にわかだけどね)ということもあり、近所のムービーオン山形に駆け込んで、「探偵はBARにいる」を見てきたのだった。これがもうめちゃくちゃおもしろかった。魂を完全にカツアゲされたというか。こうしてブログを書いちゃうくらいに興奮している。それぐらいすばらしかったのだ。 おもしろいというよりも肌にぴったりくる。とてもとても愛すべき作品というべきかもしれない。探偵モノとしては、ベタすぎるほどベタである。一匹狼でその日暮らしの探偵。謎の依頼人と運命の女。調査を進めれば、どこからともなく現れる「警告のために小手調べな感じで主役をいたぶる悪役」(プロレスでいえばボディスラムみたいな挨拶系な技をきちんと放つ悪役)、そしてやっぱり絵に描いたような悪い大物も登場する。 しかししかし、ベタな様式美であっても、やっぱりき

    正しい東映印の高品質「探偵はBARにいる」 - 深町秋生の序二段日記
    yyamaguchi
    yyamaguchi 2011/10/02
    「ベタと思われるような王道を進みながらも、小技をいくつもいくつも利かせ、誠実に作りながらぴりっとオリジナリティをくわえる。じつに愛すべき高品質なエンターテインメント映画だと思いました。」
  • 原発の街を歩く・福井県 - 深町秋生の序二段日記

    翌日は美浜町の原発(敦賀市の隣)ともんじゅへ行った。 朝は敦賀駅の立ちそば屋。そばやうどん以外にも、きしめんがある。もうここは西日なんだなと実感。地元の人々の言葉も関西弁だ。なにか買うと「おおきに」と言われる。 昨日は敦賀半島の右側を進んだが、今日は敦賀半島の左側を行った。若狭湾のリアス式な浜辺は、津波に襲われた岩手県の沿岸とよく似ている。 濃厚なマリンブルーは、まるで南の島の浜辺のような色彩。文字通り「美浜」なのだと。美浜原発と目と鼻の先にある水晶浜の砂浜が美しい。RCサクセションの「サマータイム・ブルース」は、ここをモデルにしている……と、ウィキペディアに書いてあった。だから当かどうかは知らない。 原発は美浜駅から車で30分進んだところにある。3つの原子炉があり、ここも1号機は大阪万博の時期に合わせて作られたため、老朽化が心配されている。「みなさまと歩み続けて40年」だ。 美浜原

    原発の街を歩く・福井県 - 深町秋生の序二段日記
    yyamaguchi
    yyamaguchi 2011/04/12
    「しかし「安全だ」とアピールされればされるほど、「それをぶち壊した核燃料って、もっとすごいんじゃねえか」と感じてしまう。「安全だ」と主張されれば、事故のすごさがより強調されるという」
  • 深町秋生の序二段日記

    東京の人口が未だに増え続けているという。もうすぐ1300万人を突破するとか。 仕事を追い求めて地方の人間がぞくぞくと集まっているのであろう。しかしそれだけではなく、リタイヤした高齢者もけっこう東京に向かっているのではないかと思う。仕事ほしさだけで人は上京するわけではないようだ。 先日、TBS系の深夜ドキュメント番組「ドキュメント・ナウ」を見た。この番組はわりと好感が持てて、大衆の現状というものを過剰に(古舘の過剰に深刻ぶった面にはうんざり)伝えることがない。テンポよく淡白にやるから鼻につかない。 先日は札幌における高齢者の集団生活の姿を追っていた。さまざまな理由で田舎で暮らせなくなった高齢者らが、札幌の元学生寮に集まって、スタッフとともに共同で生活するというもの。半介護施設といった感じだろうか。若者の減少によって空いた都会の学生寮に、地方で住めなくなった老人が集まるという姿が大変おもしろ

    yyamaguchi
    yyamaguchi 2010/01/10
    「「車の運転ができないやつは人であらず」という酷薄な街づくり。自治体の財政は火の車でいつ破綻してもおかしくない状況にあり、ハードな自己責任が求められる」「リタイヤしてから来るような場所ではない」
  • 深町秋生の序二段日記

    昭和30年代が好きだ。 なぜならそこにあるのは混沌と暗黒の世界。右翼はいつ起きるかわからない革命に怯えて政治家や出版社を襲い、左翼は大勢で道端や国会や大学で暴れまくった。長嶋が天皇の前でホームランを打っていた頃に、熊の漁民は有機水銀たっぷりの魚をべて苦悶していた。正義のヒーロー力道山はドラッグと酒にトチ狂い、目の前にあるものすべてをぶん殴った。 高度成長期の東京はオリンピックに向けて大工事。騒音と埃と神風トラック、神風タクシーが行きかうやかましい街だった。増える車の台数に道がおっつかず、そこいらで大渋滞が起きていた。環境保護という概念は確立されてはいないために、煙突からは有害な黒い煙がもくもくと吐かれ、東京湾には得体の知れない物質の混じった廃液が垂れ流し。 輸送に明け暮れる国鉄は鶴見と三河島と宇和島で大事故を起こし、100人単位で乗客をあの世に送った。戦争の苦しみを知っていた規律正しい

    深町秋生の序二段日記
    yyamaguchi
    yyamaguchi 2007/11/22
    「三丁目の夕日」への違和感の元がやっとわかってすっきり。みんながみんな人情溢れる温かい人たちなんかじゃなかったし、暗くてよどんだ時代だったってこと。
  • 聖域に住まう人々の生態「スパルタの海」 - 深町秋生の序二段日記

    すごいものを見てしまった。先日、小説の取材でちょっと上京したのだが、その折に渋谷のシネマヴェーラで封印映画の「スパルタの海」を見てきた。 これは83年に戸塚ヨットスクールのスパルタ教育について映画化したもので、ちょうど公開となったところで相撲部屋よろしく暴行致死事件が明るみになってお蔵入りとなった作品である。 戸塚ヨットスクールを支援している団体がこの映画の権利を東宝東和から買い、DVDを通販で売っているという話を聞き、正直なところスパルタ教育が好きな都知事イズムに染まった人達向けのくだらないプロパガンダ映画だと思っていたのだが、それは大きな間違いであった。人の価値観を揺さぶる薫り高い文学性を感じさせる怪作品であった。おそらくそのノリは「シグルイ」や梶原一騎のカラテ作品や「愛と誠」、それにリチャード・バックの「かもめのジョナサン」のような現代社会とは相容れない(同時に人を魅了してやまない)

    聖域に住まう人々の生態「スパルタの海」 - 深町秋生の序二段日記
    yyamaguchi
    yyamaguchi 2007/09/28
    「スクールの無茶な運営とひたすら続く暴力の嵐を見て、私の頭に浮かんだのはオウム真理教や連合赤軍、戦前の井上日召率いる血盟団といったカルト組織だった。現代社会のルールを否定し、憎悪し」
  • 深町秋生の序二段日記

    あの名古屋の殺人事件にゾクっときてしまった。加害者がケータイサイトで知り合ったというやつ。あれはペッパーランチ事件と同様に背筋が凍った。 去年あたりから、心が寒くなるような犯罪が目白押しだ。過去と比べても、こんなに心が寒くなるようなことはない。昔だってヤバい犯罪はたくさんあったが、昔と今とでは犯罪の質がなんか違うのである。なにか末期的な感じがする。 去年起きた秋田の連続幼児殺人事件。それにペッパーランチ事件、そして今回のケータイサイト「闇の職業安定所」事件。この3つに強烈な寒さを感じた。その寒さの正体がよくわからなかったのだが、最近になってようやくわかった。 この3つの事件に共通するものとして、加害者らの理解しがたいズサンさというものがある。秋田の鈴香容疑者にしても、ペッパーランチの非道店長にしても、今回の3人の犯罪者にしても、あまりの計画性のなさに愕然とさせられる。名古屋の場合などは、人

    深町秋生の序二段日記
    yyamaguchi
    yyamaguchi 2007/08/29
    「これらの犯罪には、自分自身を大して愛していなければ、それまで歩んだ人生にも大して愛着など持っていない、これからも輝かしい人生を目指すつもりなどないという無気力な諦めがよこたわっているように思える」
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