先ごろ創業95周年を盛大に祝ったばかりの荒井呉服店は、大正2年に荒井与三氏が開業。荒井芳枝さんはその長女として生まれ、夫となった荒井末男氏とともに戦火で焼失した店舗を建て直し、八王子でも指折りの店に育て上げた。店を守り子育てをしながら、町の復興に尽力した夫を支え続け、またボランティア活動にも心血を注いだ荒井芳枝さんは、戦後の働く女性の先頭集団を走る人でもあった。日本を代表する音楽クリエーター・松任谷由実さんのお母様でもある荒井さんに、女性の立場から見た八王子について、また教育についての貴重なお話をうかがった。 そうなんです。お父さんが数えで30、私が22でした。8つ違いだからお父さんって感じね(笑)。去年(2006年)2月2日に亡くなるまで65年間一緒でした。主人は第二国民兵(徴兵検査基準の丙種「身体上極めて欠陥の多い者」との評価)でしたが八日町の在郷軍人会の会長で、井桁屋さんが副をやって