(1)アーツカウンシル、それはアーツの議会 「アーツカウンシル」。またカタカナ、横文字か、と感じる方も多いことでしょう。今後、詳しく述べていくことになりますが、昨今「日本版アーツカウンシル」の動きが起こってきているものの、残念ながら英国が発祥で、「日本版」の名が掲げられているとおり、日本にはなかった概念です。そこでまず、この言葉を二つに解体して、アーツカウンシルとは何か、ひもといていくことにしましょう。 アーツカウンシルとは文字通り、アーツのカウンシルなのですが、ここで重要なのは「arts」と複数形になっていることと、そこに会議を意味する「conference」ではなく、討議や評議という意味合いの「council」という語が続いていることです。まず、なぜ複数形になっていることに意味があるのか、それはアーツカウンシルが扱うアートの範疇はきわめて広い、ということを表しています(参考:図1)。一