自制心育み、再犯断て(子どもを守る 性犯罪から:1) 2006年03月12日11時25分 性犯罪サイクル表という新聞サイズの紙。そこに自分の感情の起伏や行動が円状にびっしりと書き込まれている。 「児童ポルノで刺激を得て自暴自棄になる。酒を飲み、妄想が膨らむ」「漠然とわいせつ目的の殺害を計画。凶器、ロープ、粘着テープを購入」「3日目、1人の児童を発見し、実行。騒がれて断念。自首。逮捕されてよかったと思う」 児童への強制わいせつ未遂で起訴された40代の男性が、2年前に性犯罪専門家の助けを借りて書いた。小さく折りたたみ、いつも持ち歩く。 10代前半から、子どもにわいせつ行為を繰り返し、数年前に逮捕された。サイクル表作製はそれがきっかけになった。 ◆ ◆ 社会復帰したあと、月1回、行動記録を保護司へ届けた。それでも再犯の不安は消えなかった。弁護士から読むように勧められた資料の中に大阪大学大学
抑制ホルモンの投与も 先進地カナダ(子どもを守る 性犯罪から:2) 2006年03月13日14時57分 子どもへの性犯罪を防止するプログラムを日本よりも先に本格的に進めてきたカナダでは――。 首都オタワから西へ約300キロのワークワース刑務所。性犯罪で服役する者が10〜12人程度のグループをつくり、再犯防止プログラムに取り組んでいた。 まず「自伝」を書く。なぜ自分が性犯罪で刑務所にいるのか、自分の過ちとは何か、見つめ直す。そして、グループ内で発表する。 本人がどんな状況で性的興奮を覚えるのか、個別にビデオなどを使い、分析する。興奮した状態から犯罪行動に移らないようにすることを学ぶ。 「『治療』とはとらえていない。受刑者に自分の抱える危険性を意識させ、自己管理する能力を身につけさせる。それが社会の危機管理にもつながる」。連邦矯正局でプログラム担当の副責任者、ブルース・マルコム博士はそう話す。
学校の死角 処分うやむや、傷広げる(子どもを守る 性犯罪から:3) 2006年03月14日11時14分 香川県の元中学教諭(42)のわいせつ行為が学校で発覚したのは、2度目だった。 最初は8年前。指導していたバレーボール部の女子2人を放課後、別々に呼び出し、下半身を触ったという。保護者がこの行為を学校に訴えた。 しかし、元教諭は学校側に「意図はなかった。ただのマッサージ」と釈明した。被害にあった女子の一人は元教諭の授業を受けることも拒んだが、結局、処分はされず、4年間、その学校に在籍した。「校長や保護者らは子どもの言葉より先生を信じる」。元教諭はそう思ったという。 そして、転任先でも、部活指導の際、女子3人の下半身に触れるなどのわいせつ行為をした。生徒から話を聞いた保護者らの指摘に対して、今度も「マッサージをした」と答えた。 しかし、保護者らは警察へ連絡し、元教諭は強制わいせつ容疑で逮捕さ
警察の目 出所者確認、まだ手探り(子どもを守る 性犯罪から:4) 2006年03月16日10時48分 首都圏の住宅街。昨年の夏ごろ、40歳代の独身男性が実家に引っ越しして、両親と暮らし始めた。昼間は近くの工場で働いている。男性は小学生の女児にわいせつな行為をし、約4年の服役を終えたばかりだった。 子どもを狙った暴力的性犯罪者の生年月日や出所先を、法務省が警察庁に提供する制度が昨年6月に始まった直後。 この男性の情報は、県警本部、そして最寄りの警察署に伝えられた。さらに、署長は、生活安全担当の刑事と、男性の自宅を管轄する地域警察官らに、居住状況の確認を指示した。 現在、担当の警察官は最低でも週1回、男性の自宅周辺を巡回している。夜間、自宅に室内灯がついているか、物干しの洗濯物の数、ふだんどおり自転車があるかなどを確認する。いまのところ異変はない。記録に記載することがほとんどない状態が続く。
傷のケア 向き合って不安ほぐす(子どもを守る 性犯罪から:5) 2006年03月17日12時10分 性被害に遭った子どもを、親はどう守ればいいのか。 昨年11月、愛媛県教委から依頼された、被害者精神医学の専門医(久留米大学医学部講師)、前田正治氏が性被害に遭った女児8人を診察した。5人が心的外傷後ストレス障害(PTSD)と診断され、うち3人はカウンセリングの必要があるほど深刻だった。 ◇ 四国山地のふもとにある小学校の体育館。 8人はスポーツ少年団に所属していた。昨年の夏休み、男性コーチ(47)が、人のいない体育館の放送室に女児を次々と呼んだ。週5日の練習日のうち、3日間は保護者らが付き添っていたが、そのときはいなかった。 粘着テープで両目をふさぎ、下半身を裸にさせ、デジタルカメラで撮影した。そのあと、女児らに「母親に言うと裸で走らせる」などと口止めした。ふだんからコーチは暴力を振るうなど
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