住宅地のど真ん中にある牧場の牛乳 堆肥⇄廃棄食材を繰り返す循環型の牧場 酪農を取り巻く厳しい現状 全国的に愛された「磯沼ミルクファーム」(東京・八王子)の牛乳の販売が終わってしまう――。ミルクスタンドを運営する筆者は、そんな一報を聞きつけました。牛のストレスを減らしながら、地域住民が牛たちとふれあう機会をつくってきた牧場ですが、委託先が製造を中止することに。都内の住宅地に溶け込むミルクファームの魅力を紹介しながら、穀物価格の上昇や円安などが経営に打撃を与える牛乳生産の現状をお伝えします。(木村充慶) 放牧以外の魅力的な牧場 筆者が都内で開くミルクスタンドでは、毎月、時季に合わせて牛乳を3種類程度セレクトして提供しています。牛乳の違いを感じてほしいからです。 8月までは放牧の牛乳のみでしたが、9月からは放牧以外の牛乳も扱うことにしました。 そのひとつが東京・八王子の磯沼ミルクファームの「みる