今年4月、愛知県のひきこもり支援のための共同生活施設「アイ・メンタルスクール」で事件が起きて以来、若者の自立支援に関わる一人として今自分にできることはないかと考えた上で各地の共同生活の現場を取材させていただき、そこで見たこと、聞いたことをありのままに紹介してきました。 それは、事件が起こり皆様の注目が集まった施設以外にも、共同生活というスタイルは同じだとしても、全然違う手法で若者の自立支援をしている施設があり、そこにはさほど注目が集まらないかもしれないけれどしっかりと若者の自立に寄り添って活動している施設があることを取材することによって少しでもお知らせしたい、という強い思いからでした。 読んでくださる方は少ないかもしれないけれど、今自分にできることをしないと後悔する。通所型だけど若者の自立を支援している一人として皆様にこのまま誤解されるのは嫌だ。恥ずかしいことですがそんな個人的な思いもあり
若者を憎悪している。世の風潮を眺めていると、どうもそうとしか思えない、まったく理不尽な議論が罷(まか)り通っている。 例えば、統計的な確証もなしに、少年犯罪の増加や凶悪化が社会問題化される。 また、ゲームやインターネット、携帯電話など、若者が接触しがちなサブカルチャーやメディアが槍玉(やりだま)に挙げられる。 最近は「ゲーム脳」だの「脳内汚染」だのと、まことしやかな、おどろおどろしいコピーによって社会への浸透圧が高まっているから、実に質(たち)が悪い。 ニートという言葉も、瞬く間に人口に膾炙(かいしゃ)したが、単なるキャッチ・コピーかもしれない。本書はそんな健全な懐疑へと読者を導き、さらに進んで、正しい社会認識とは何かを熟考させる。 ニートとは、一般に働かず、学ばず、職を求めてもいない若者を指す。しかし、各方面に影響を及ぼしているわりに、定義が明確ではない。一説によれば約八五万人にも達する
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