絵本のよろこび、松居直、NHK出版、2002 子どもはどのように絵本を読むのか、Victor Watson & Morag Styles編、谷本誠剛監訳、柏書房、2002 ふだん読んでいる絵本作家が書いた絵本論はないかと探してみたところ、瀬田貞二(『きょうはなんのひ』)、渡辺茂男(『しょうぼうじどうしゃじぷた』)、松岡享子(『おふろだいすき』)など、愛読している作家が一同に会した論集がうまい具合に見つかった。 『絵本と子ども』は、敗戦後に、日本国でも本格的に出版されるようになった絵本や児童書に関する啓蒙書。説教調の文体が多いのも、絵本作家、編集者らが当時抱いていた熱意をかえって伝える。 論者はいずれも、絵本は子どもの言語と知覚の能力、そして感受性を高めると述べ絵本がいかに子どもの暮らしに必要不可欠であるかを力説している。もちろん、絵本が子どもにとって楽しみであることを基本前提にしていること