昔勤めていた会社の近所に、大型のペットショップがあった。 営業時間は、確かお昼頃から夜中の12時くらいまでだ。 その間、生まれたばかりの子犬や子猫が通りに面したショーケースに入れられ、道行く人にさらされている。 多くの人が足を止め、「かわいいー」とか「欲しい!」と声をあげていた。 人間が動物と共に生活するようになったのは、生活のためだ。 牛は乳を出すし、羊は毛が加工できる。馬を移動手段に、鳥は手なずけて魚をとる手段にした。 ただ、その中でも特に犬と猫はその愛らしさゆえに「愛玩」という目的のみで人間と共に暮らすようになったのだろう。 彼らは人間に都合のいいように改良され続けた。足は短く、瞳は大きく、体は華奢に… そうして、およそ自然界では生き残れないような生物が次々と生み出されていくことになった。 猟犬に狩りをさせて生活している人は別として、現代社会においてペットを飼う目的は、ヒトの「寂しさ