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今週のコラムニスト:コン・ヨンソク 韓国の盧武鉉(ノ・ムヒョン)前大統領が自殺して1カ月。日本ではすでに過去の話だが、韓国では今もその余波が収まらない。そこには日本で伝えられない、国民のなかに流れる特別な感情がある。 たしかに日本で盧武鉉のイメージは悪かった。しかし隣国の前大統領が非業の死を遂げたのだ。もう少しニュースになってもいいと思うのだが、自殺直後の日本のメディアは淡々と事実関係を述べるに過ぎなかった。 そして案の定、韓国の歴代大統領の不正疑惑と同一線上で報じられた。だが、いくら不正疑惑とはいえ、彼が命を賭けて闘った軍事独裁者の全斗煥(チョン・ドゥファン)や、その右腕の盧泰愚(ノ・テウ)と同じように扱うなんて......。もう少し深い洞察がほしかった。専門家の言う「左右の対立」というお決まりの説明を鵜呑みにするのではなくて。 韓国社会の真実がこうも歪められては、日韓新時代も夢のまた夢
「アンネの日記」が、東京の各地の図書館で、破られたり廃棄されたりするという事件が起きている。欧米と違って、反ユダヤ主義的な行動が歴史的にあまり見られなかった日本で、こうした事件は珍しい。誰が犯人か、さまざまな憶測を呼ぶなかで、筆者が一番心配したのは、その犯人捜しのなかで、単純な発想から、アラブ人やイスラーム教徒が疑いをかけられるのではないかということだ。 反ユダヤ主義にも縁が薄いのと同じく、日本のアラブ人社会やムスリム社会とユダヤ人社会の間に敵対的な事件がおきる可能性は、ほとんど考えられない。だが、パレスチナ問題を聞きかじれば、多くの日本人がつい「イスラーム教徒・アラブ人=反ユダヤ」と思い込みがちなのではないか。実際、欧米では長くそのような認識で、イスラエルと戦うアラブ諸国を「反ユダヤ主義のナチス同様の悪者」視してきた。1952年にエジプトがイギリスの間接支配を抜け出して共和政革命を起こし
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