2013/2/209:0 ツイート 震災復興と地域産業 ――「仮設商店街」からみえてくる現代の諸相 松永桂子 ■現代社会における仮設商店街の意味 東日本大震災から2年。東北の被災地では世代を超えて受け継がれてきたもの、日常の暮らしが一瞬にして奪われた。 一度、失われたものは、二度と同じかたちでは戻らない。だが、立ちどまり、もがき、地域と向き合い、対話し、ふたたび立ち上がることによって生まれてくる新たなものがある。当然、それは物質的なものだけではなく、人と人の関係性、自然と人の関係性なども含んでいる。それらが地域社会や環境、秩序の形成につながっていく。 復興の過程では当然のことながら、意図したとおりに物事が進む場合もあれば、意図しなかった問題に直面することもある。その合間に、被災地の本質的な課題が横たわっているようにみえる。ときを重ね、それを乗り越えようとしていくことによって、復興の道筋が形