ブックマーク / www.webchikuma.jp (21)

  • 「ガバナンス改革」が、大学の研究・教育機能を破壊した|ちくま新書|田中 圭太郎|webちくま

    教職員に罵声を浴びせて退職強要。寮に住む学生ら45人を提訴。突然の総長解任。パワハラの捏造――。国立大学の法人化や大学関連法の改正を背景に、全国の大学で耳を疑うような事件が頻発している。 疲弊する大学教員や学生の声を取材した『ルポ 大学崩壊』より、「はじめに」を公開する。 全国の大学関係者から「大学が壊れてしまった」と嘆く声が聞こえてくる。 「壊れてしまった」と訴える内容は、大学の根幹である教育と研究、大学の自治、それにコンプライアンスなど多岐にわたる。執行部が独裁的に運営する国立大学や、経営者があからさまに私腹を肥やす私立大学など、学生や教職員がないがしろにされている大学は明らかに増えている。端的に言えば、今、一部の人間による大学の「独裁化」と「私物化」が進んでいるのだ。 「独裁化」と「私物化」の流れに同調するかのように、教職員や学生への弾圧が強まっている大学や、教職員の大量解雇を強行し

    「ガバナンス改革」が、大学の研究・教育機能を破壊した|ちくま新書|田中 圭太郎|webちくま
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    zu2 2023/02/14
  • パソコンの故障は、この電子装置への感性的な執着をより強固なものとしてくれたのだろうか|些事にこだわり|蓮實 重彦|webちくま

    蓮實重彥さんの連載時評「些事にこだわり」第11回を「ちくま」1月号より転載します。小誌連載や筒井康隆氏との対談などの執筆に際して起こっていたささやかだけれど重大な事件とは――。 仕事机の上にどさりと置かれ、かなりの空間を占拠しているパソコンという名の電子的な装置に、これといった愛着を覚えることはまずなかったといってよい。例えば、ブルー・ブラックのカートリッジを装填した年季もののモンブランの万年筆の場合、あたりに見あたらずふと気がかりになっていたりするときなど、それがあまり着なれぬスーツの内ポケットや手鞄の底から出てきたりすると、いつもほっとして心が安まるものだが、それに似た愛着のようなものを、このパソコンに対してはついぞ覚えたためしはなかったのである。 然るべきキーに触れればたちどころに作動してくれるその装置との関係は、もっぱら職業的な習慣性というか、機械的な即応性というか、いずれにせよ

    パソコンの故障は、この電子装置への感性的な執着をより強固なものとしてくれたのだろうか|些事にこだわり|蓮實 重彦|webちくま
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    zu2 2023/01/31
    “一時は途方に暮れていたわたくしは、ワードプロセッサーがなければ自分自身で文字を書けばよいのだというごく当然の結論に達するまで、一時間の余も茫然として過ごすしかなかった”
  • オミクロンの時代を生き抜くための「本当の知識」とは?【前編】|特集対談|小野 昌弘,海堂 尊|webちくま

    コロナ感染の重症化のメカニズムから、ワクチンや免疫の性質まで、科学的な知見に基づいて平易に解説した『免疫学者が語る パンデミックの「終わり」と、これからの世界』。その著者で、インペリアル・カレッジ・ロンドンのReader in Immunology(准教授)の小野昌弘さんと、外科医・病理医としての経験を生かした、リアリティあふれる医療現場の描写で現代社会の病理を衝く小説を発表してきた海堂尊さん。このお二人に、前・後編の2回にわたって、存分に語り合っていただきました。 オミクロンBA.5による第7波について 海堂 最初に、免疫学の専門家の小野先生に伺いますが、日は今、第7波といえる状態でしょうか。 小野 ええ、第7波だと思います。昨年末からオミクロンの大波があり、感染者数が上下しつつ、少しずつ変異しながら流行が続いているのです。 海堂 その波の繰り返しだということが一般の市民には伝わりにく

    オミクロンの時代を生き抜くための「本当の知識」とは?【前編】|特集対談|小野 昌弘,海堂 尊|webちくま
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    zu2 2022/09/13
    “豚インフルエンザが流行した時、政府の対応や厚労省の対応があまりにひどく、『ナニワ・モンスター』(新潮文庫)という小説に書いたんです。するとコロナが流行り始めた頃、『ナニワ・モンスター』は予言の書だ”
  • オミクロンの時代を生き抜くための「本当の知識」とは?【後編】|特集対談|小野 昌弘,海堂 尊|webちくま

    コロナ感染の重症化のメカニズムから、ワクチンや免疫の性質まで、科学的な知見に基づいて平易に解説した『免疫学者が語る パンデミックの「終わり」と、これからの世界』。その著者で、インペリアル・カレッジ・ロンドンのReader in Immunology(准教授)の小野昌弘さんと、外科医・病理医としての経験を生かした、リアリティあふれる医療現場の描写で現代社会の病理を衝く小説を発表してきた海堂尊さん。このお二人に、前・後編の2回にわたって、存分に語り合っていただきました。 ワクチン開発と今後の見通し 海堂 今、医療スタッフの感染も多いですが、医療機関に余裕がないと診療機能の維持は難しい。ここに「働き方改革」が重なり、医療現場にこれまで以上の負荷がかかっているところに、働き方も抑えるようにとなっているので、合理的な改革が必須です。現場の先生たち、医療従事者の方々のご苦労はほんと大変です。今、メディ

    オミクロンの時代を生き抜くための「本当の知識」とは?【後編】|特集対談|小野 昌弘,海堂 尊|webちくま
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    zu2 2022/09/13
    “国税を100億投入され、公約も果たせずデータも公開しない「アンジェス」は、税金泥棒だと思います。しかもそれを国が黙認している。どうお金を使い、データを公開しないのでは国もグルなんじゃないかという疑いさ”
  • 第3回 投票率の底から|『武器としての世論調査』リターンズ――2022年参院選編|三春 充希|webちくま(2/3)

    普段ニュースで目にする「世論調査」の使い方を教えるちくま新書『武器としての世論調査』は、2019年6月、第25回参院選を目前に刊行されました。 刊行以降の世論の変化をみていく特集の最終回は、1990年代に崩壊した投票率から、これからの課題を検討します。 3.政界再編と無党派層の増大 この投票率の崩壊をもたらした原因は何でしょうか。従来の政治学では、当時行われた政界再編にともなって支持政党を持たない無党派層が増加したことが大きな理由だと考えられてきました。 米ソ冷戦のなか1955年に成立した「55年体制」では、政治的な立ち位置として、自民党アメリカ寄りの代表格を担い、社会党はソ連寄りの代表格を担いました。けれども1991年にソ連が崩壊すると、この二極間の緊張は弱まっていきます。するとソ連崩壊のあおりを受けて社会党の勢力が衰退する一方、結束してそれと対峙する必要性の薄れていった自民党でも、党

    第3回 投票率の底から|『武器としての世論調査』リターンズ――2022年参院選編|三春 充希|webちくま(2/3)
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    zu2 2022/07/06
    “若者たちを新しい産業へと引き込んでいくということがなされていたら、そこまで悲惨なことにはならなかったはずなのです。けれども政治は、若者の苦境を「自己責任」といって開き直ってきたのでした”
  • 第3回 投票率の底から|『武器としての世論調査』リターンズ――2022年参院選編|三春 充希|webちくま(1/3)

    普段ニュースで目にする「世論調査」の使い方を教えるちくま新書『武器としての世論調査』は、2019年6月、第25回参院選を目前に刊行されました。 刊行以降の世論の変化をみていく特集の最終回は、1990年代に崩壊した投票率から、これからの課題を検討します。 年々低下する投票率を立て直すべく、これまで様々な取り組みが行われてきました。投票呼びかけのキャンペーン、模擬投票の実施、若者をターゲットにしたキャラクターやグッズ展開……。確かにそのようなことも行うに越したことはないのでしょう。けれども昨今の投票率の惨状は、そうした取り組みの効果の乏しさを物語っています。 これらの取り組みはどうして効果を発揮してこなかったのでしょうか。それは、なぜ多くの人が選挙に行かなくなっているのかという原因に踏み込まず、投票率という数字ばかりに目を向けてきたからにほかなりません。 投票率の低下は、社会のあり方が背景にあ

    第3回 投票率の底から|『武器としての世論調査』リターンズ――2022年参院選編|三春 充希|webちくま(1/3)
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    zu2 2022/07/06
  • 第2回 野党共闘はどこへ|『武器としての世論調査』リターンズ――2022年参院選編|三春 充希|webちくま(1/4)

    普段ニュースで目にする「世論調査」の使い方を教えるちくま新書『武器としての世論調査』は、2019年6月、第25回参院選を目前に刊行されました。 あれから3年、世論は、そして日はどのように変わってきたのでしょうか。この間の野党共闘の成果と課題を見ていきます。 現行の選挙制度では、小泉政権下などのごく一時期を除いて、自民党と公明党が得た票は全国の投票者の半分に届きません。それにもかかわらず与野党の議席に大差がつくのは、自公が協力して候補者を統一している一方で、野党は複数の候補が競合し票の分散がおきてきたためです。そこで2016年以降、野党は共闘を掲げて多くの選挙区で候補者の一化を行ってきました。特に前回(2019年)と前々回(2016年)の参院選では全ての一人区で与野党一騎打ちの構図をつくりあげて成果を出しています。 しかし22日に公示された今回の参院選では、実質的な与野党一騎打ちとなった

    第2回 野党共闘はどこへ|『武器としての世論調査』リターンズ――2022年参院選編|三春 充希|webちくま(1/4)
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    zu2 2022/06/28
  • 「数感覚」という能力|ちくま学芸文庫|webちくま

    6月刊行のちくま学芸文庫、トビアス・ダンツィク著(水谷淳訳)『数は科学の言葉』から、第1章「指紋」の冒頭を公開します。 ローマの1 年は10 回の月の満ち欠けからなっていた. 当時この数は高く重んじられていた. それはきっと,人がいつも指で数を数えるからだろう. あるいは,女性が10 か月で出産するからかもしれない. あるいは,数は10 まで大きくなると 再び1 から周期を繰り返すからかもしれない. ――オウィディウス,『祭暦』,第3節 人間は成長の初期段階からある能力を持っているが,それを指す良い言葉がないので,私はそれを“数感覚”と呼ぶことにする.この能力によって人は,ある小集合から対象が取り除かれたり,あるいはそれに付け足されたりしたときに,その集合に何かが変化したことを,直接的な知識がなくても認識することができる. 数感覚と数える行為とを混同してはならない.数を数える行為はおそらく

    「数感覚」という能力|ちくま学芸文庫|webちくま
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    zu2 2022/03/11
  • 第6回 差別があるままに他者と交わる世界に生きている|十代を生き延びる 安心な僕らのレジスタンス|鳥羽 和久|webちくま

    寺子屋ネット福岡の代表として、小学生から高校生まで多くの十代の子供たちと関わってきた鳥羽和久さんの連載第6回です! 今回はみんなの心の中にある問題です。じっくり読んで欲しいと思います。 この連載は大幅に加筆し構成し直して、『君は君の人生の主役になれ』(ちくまプリマー新書)として刊行されています。 刊行1年を機に、多くの方々に読んでいただきたいと思い、再掲載いたします。 ある高校の生徒会室にて 「K高校生徒会指導部は、来年度から、男女かかわらずズボンとスカートの着用を認める「制服選択制」を実現するために、校則の変更を求める陳情書(ちんじょうしょ)をPTA運営委員会及び校長に提出します。これは、性的少数者、LGBTQの生徒にとって学校生活が過ごしやすいものになるだけでなく、多様な価値観を受け入れ、尊重することが重視される社会の流れに沿ったものとなります。」 会長の小野さんがそう言うと、美化専門

    第6回 差別があるままに他者と交わる世界に生きている|十代を生き延びる 安心な僕らのレジスタンス|鳥羽 和久|webちくま
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    zu2 2021/12/26
  • 「頑張ろう」などと口にするのはそろそろ止めにすべきではなかろうか|些事にこだわり|蓮實 重彦|webちくま

    蓮實重彥さんの短期集中連載時評「些事にこだわり」第3回を「ちくま」9月号より転載します。この夏は一生ぶんくらいの「頑張ろう」「頑張った」というフレーズを聞いた気がします。しかしそもそも「頑張る」という日語はなんなのか。結果の是非を視野から遠ざけ、主体を一様に無化する紋切型のおそろしさとは。 さる原稿の執筆にやや行きづまったので、パソコンの置かれた仕事机を離れ、サロンのソファに深々と身をうずめ、正式には禁煙したことになっているのに何のためらいもなく煙草に火をつけ、見るともなしにテレビをつけてしまう。すると、画面には、めっきりと髪の白さがきわだつピーター・フォークが、例のよれよれのベージュのコートをまとって慇懃無礼な質問を若い男に向けて呟いているので、ああ、『刑事コロンボ』の一挿話の再放映だなとすぐさま合点がゆく。見るからに怪しげなその若い男は、自分で設計したクラブのオープニングが迫っている

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    zu2 2021/09/26
  • 石ノ森章太郎とSF|ちくま文庫|すがや みつる|webちくま

    8月刊行のちくま文庫『石ノ森章太郎コレクション SF編』より、すがやみつる先生の解説を転載いたします。文庫編には、収録しきれなかった〈完全版〉をウェブ限定で公開します。 #001 最初に断っておくが、筆者は高校生のときから石ノ森章太郎のもとに通い、20歳で石森プロに所属、21歳のとき『仮面ライダー』のコミカライズでマンガ家デビューを果たした経歴の持ち主である。『仮面ライダー』を描きはじめた頃は、ネーム、下絵、ペン入れ、完成の各段階で石ノ森の監修を受け、マンガの描き方を手取り足取り教えてもらっていた。石ノ森が筆者のことを「弟子」と称してくれたのはそのためだ。 その後、筆者は独立し、オリジナル作品を描くマンガ家になったが、50歳を過ぎて大学と大学院で学び、研究というものに手を染めることになった。来、文庫の解説というものは、研究者の視点から執筆するのがふさわしいのだが、筆者自身の経歴から、公

    石ノ森章太郎とSF|ちくま文庫|すがや みつる|webちくま
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    zu2 2021/08/29
  • 「滅私奉公」は内面化されたのか?|ちくま学芸文庫|松田 宏一郎|webちくま

    戦時体制を支えた陸軍将校とはいったいどういう存在だったのかを問うた『陸軍将校の教育社会史』。書の読みどころや意義について、『江戸の知識から明治の政治へ』などの著作がある、立教大学教授の松田宏一郎さんによる解説を転載します。 一 体系化されたカリキュラムに基づく知識教育と一定の実地訓練をこなさなければ就くことのできない職業を、一般に専門職(プロフェッション。その職能団体を指すこともある)と呼ぶ。だいたいは法制度や同業者による認証制度でそうなっているが、すぐに思い浮かぶのは医師や法律家である。そして、軍の将校も典型的な専門職である。専門職としての将校の登場は近代化の重要な指標の一つと見なされ、一九九〇年頃までには、アメリカやヨーロッパで、将校教育のシステムや当事者の社会的役割・立場の自己認識について、社会学・歴史学などの分野で相当の研究蓄積ができていた。これに対し日では、歴史社会学的分析対

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    zu2 2021/07/16
  • 毎日放送「〈映像〉の系譜」編② 大阪から「沖縄」を取材し伝える|地方メディアの逆襲|松本 創|webちくま(1/3)

    地方にいるからこそ、見えてくるものがある。東京に集中する大手メディアには見過ごされがちな、それぞれの問題を丹念に取材する地方紙、地方テレビ局。彼らはどのような信念と視点を持ってニュースを追いかけるのか? 報道の現場と人を各地に訪ね歩く「地方メディアの逆襲」。ドキュメンタリー「映像」シリーズの放送を長年続ける大阪・毎日放送に迫ります。 沖縄の記者たちに見た「報道の原点」 毎日放送(MBS)の『映像』を専属で担当するドキュメンタリー報道部へ、斉加尚代が異動したのは2015年7月のことだ。橋下会見でのバッシングの後に司法キャップを2年務めたが、その間は、自らの「軸足」の置き場に迷う時期だったという。 「ニュース判断や特集企画をめぐって、後輩のデスクと意見が合わなくなってきたんです。わたしは先輩が相手なら、いくらでもケンカできるんですが、後輩から『視聴者はそんな話に興味ないですよ』『視聴率取れませ

    毎日放送「〈映像〉の系譜」編② 大阪から「沖縄」を取材し伝える|地方メディアの逆襲|松本 創|webちくま(1/3)
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    zu2 2020/10/03
    “故郷を二度と戦争の島にしてはならないという言論のために、沖縄の新聞社は存在している。だから、沖縄の記者は沖縄戦を忘れてはいけないし、戦争から続く基地問題としっかり向き合わねばならない”
  • 毎日放送「〈映像〉の系譜」編① 標的にされる「教育」と「メディア」|地方メディアの逆襲|松本 創|webちくま(1/3)

    地方にいるからこそ、見えてくるものがある。東京に集中する大手メディアには見過ごされがちな、それぞれの問題を丹念に取材する地方紙、地方テレビ局。彼らはどのような信念と視点を持ってニュースを追いかけるのか? 報道の現場と人を各地に訪ね歩く「地方メディアの逆襲」。ドキュメンタリー「映像」シリーズの放送を長年続ける大阪・毎日放送に迫ります。 地方テレビ局発のドキュメンタリーが気を吐いている。視聴者が減少し、広告収入でネットに抜かれ、それでも視聴率に汲々として、「早く、安く、わかりやすく」と情報バラエティー化が進むテレビ業界にあって、ドキュメンタリーは「金と時間をうばかり」「好きなことばかりやっている」と片隅に追いやられてきた。しかし、それぞれの現場で足を踏ん張り、力のある作品で存在意義を示す作り手たちは今も全国各地にいる。しぶとく生き残っている。 大阪の毎日放送は月に1回、日曜深夜にドキュメンタ

    毎日放送「〈映像〉の系譜」編① 標的にされる「教育」と「メディア」|地方メディアの逆襲|松本 創|webちくま(1/3)
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    zu2 2020/09/24
  • 琉球新報「ファクトチェック」報道編③ 沖縄で新聞記者になるということ|地方メディアの逆襲|松本 創|webちくま(1/3)

    地方にいるからこそ、見えてくるものがある。東京に集中する大手メディアには見過ごされがちな、それぞれの問題を丹念に取材する地方紙、地方テレビ局。彼らはどのような信念と視点を持ってニュースを追いかけるのか? 報道の現場と人を各地に訪ね歩く「地方メディアの逆襲」。先の沖縄県知事選挙を機に「ファクトチェック・フェイク監視」を始めた琉球新報に迫ります。 県外出身記者たちの葛藤と責務 今年2月に刊行された『沖縄で新聞記者になる』(畑仲哲雄著、ボーダーインク刊)というがある。元新聞記者で、現在は地域ジャーナリズムの研究者である著者が、琉球新報と沖縄タイムスの土出身記者約20人に取材し、〈沖縄人ではない者が、沖縄で新聞記者になるとはどういうことなのか〉を深く考察している。 同書によれば、両紙とも土出身記者の割合は約2割。ともに戦後まもなく創刊(復刊)し、発行部数も拮抗する両紙は、互いに強烈なライバル

    琉球新報「ファクトチェック」報道編③ 沖縄で新聞記者になるということ|地方メディアの逆襲|松本 創|webちくま(1/3)
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    zu2 2020/09/24
  • 琉球新報「ファクトチェック」報道編② 「覆面の発信者」を追う記者たち|地方メディアの逆襲|松本 創|webちくま(1/3)

    地方にいるからこそ、見えてくるものがある。東京に集中する大手メディアには見過ごされがちな、それぞれの問題を丹念に取材する地方紙、地方テレビ局。彼らはどのような信念と視点を持ってニュースを追いかけるのか? 報道の現場と人を各地に訪ね歩く「地方メディアの逆襲」。先の沖縄県知事選挙を機に「ファクトチェック・フェイク監視」を始めた琉球新報に迫ります。 県知事選ファクトチェック報道の舞台裏 〈虚構のダブルスコア/「偽」世論調査〉──。沖縄県知事選告示5日前の2018年9月8日、琉球新報が掲載した「ファクトチェック・フェイク監視」の最初の記事である。こんな内容だった。 県知事選を巡る世論調査の情報が飛び交っている。一方の立候補予定者(玉城デニー)への支持が、もう一方(佐喜眞淳)をダブルスコアで上回る「朝日新聞の調査」とされる数字のほか、国民民主党など複数の政党の調査でも大差がついているとの情報がある。

    琉球新報「ファクトチェック」報道編② 「覆面の発信者」を追う記者たち|地方メディアの逆襲|松本 創|webちくま(1/3)
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    zu2 2020/09/03
    “フェイクとわかれば即座に、選挙期間中に打ち消すのがファクトチェックの要点の一つだった。投票終了後に「実はこんな話が……」と書いても遅い”
  • 琉球新報「ファクトチェック」報道編① フェイクに蹂躙される沖縄|地方メディアの逆襲|松本 創|webちくま(1/3)

    地方にいるからこそ、見えてくるものがある。東京に集中する大手メディアには見過ごされがちな、それぞれの問題を丹念に取材する地方紙、地方テレビ局。彼らはどのような信念と視点を持ってニュースを追いかけるのか? 報道の現場と人を各地に訪ね歩く「地方メディアの逆襲」。先の沖縄県知事選挙を機に「ファクトチェック・フェイク監視」を始めた琉球新報に迫ります。 「ポスト・トゥルース(脱真実)」という言葉が欧米発で流行したのが2016年。「フェイクニュース」「オルタナティブ・ファクト」などの言葉も定着して久しく、これに対する「ファクトチェック(事実検証)」の取り組みも、各国のメディアや専門サイトで進んでいる。 日の地方メディアで、いち早く取り組んだのは沖縄の琉球新報だ。戦後75年間、望まぬ米軍基地を押し付けられ、危険と不安にさらされ続ける沖縄には、何十年も前から土発の「基地神話」がまとわりついてきた。それ

    琉球新報「ファクトチェック」報道編① フェイクに蹂躙される沖縄|地方メディアの逆襲|松本 創|webちくま(1/3)
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    zu2 2020/08/25
  • 地方メディアの逆襲|webちくま

    地方にいるからこそ、見えてくるものがある。東京に集中する大手メディアには見過ごされがちな問題を丹念に取材する地方紙、地方テレビ局を各地に訪ね歩く。 1970年、大阪府生まれ。神戸新聞記者を経て、現在はフリーランスのライター。関西を拠点に、政治・行政、都市や文化などをテーマに取材し、人物ルポやインタビュー、コラムなどを執筆している。著書に「第41回講談社田靖春ノンフィクション賞」を受賞した『軌道 福知山線脱線事故 JR西日を変えた闘い』(東洋経済新報社)をはじめ、『誰が「橋下徹」をつくったか――大阪都構想とメディアの迷走』(140B、2016年度日ジャーナリスト会議賞受賞)、『日人のひたむきな生き方』(講談社)、『ふたつの震災――[1・17]の神戸から[3・11]の東北へ』(西岡研介との共著、講談社)などがある。

    地方メディアの逆襲|webちくま
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    zu2 2020/08/22
  • 秋田魁新報「イージス・アショア」報道編① 取材方針「やれることは何でもやる」|地方メディアの逆襲|松本 創|webちくま(1/3)

    地方にいるからこそ、見えてくるものがある。東京に集中する大手メディアには見過ごされがちな、それぞれの問題を丹念に取材する地方紙、地方テレビ局。彼らはどのような信念と視点を持ってニュースを追いかけるのか? 報道の現場と人を各地に訪ね歩く「地方メディアの逆襲」。12月9日にちくま新書の1冊として刊行予定です。こちらでは、政府が断念したイージス・アショア配備計画を追い続けた秋田魁(さきがけ)新報を取り上げた回の一部がご覧になれます。 2020年6月15日、河野太郎防衛大臣は、陸上配備型迎撃ミサイルシステム「イージス・アショア」を秋田県と山口県に配備する計画の停止を表明した。24日には政府が計画を撤回。国家安全保障政策の柱の一つであるミサイル防衛が見直されることになった。  河野大臣は、ミサイル打ち上げの際に切り離す推進装置「ブースター」の落下で安全が確保できないことを理由に挙げたが、最初に流れを

    秋田魁新報「イージス・アショア」報道編① 取材方針「やれることは何でもやる」|地方メディアの逆襲|松本 創|webちくま(1/3)
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    zu2 2020/08/22
  • 秋田魁新報「イージス・アショア」報道編② 「主張ありき」ではなく「ファクト」を|地方メディアの逆襲|松本 創|webちくま

    地方にいるからこそ、見えてくるものがある。東京に集中する大手メディアには見過ごされがちな、それぞれの問題を丹念に取材する地方紙、地方テレビ局。彼らはどのような信念と視点を持ってニュースを追いかけるのか? 報道の現場と人を各地に訪ね歩く「地方メディアの逆襲」。イージス・アショア配備計画を追い続けた秋田魁(さきがけ)新報は、いかにして「データのミス」をみつけたのか? その裏側に迫ります。 沖縄の経験から読む『太平洋の盾』 Shield of the Pacific(太平洋の盾)──。アメリカを代表するシンクタンク「CSIS(戦略国際問題研究所)」が作成したレポートの表題に、秋田魁新報の松川敦志は思わず目を見張った。 副題は「巨大なイージス艦としての日」。イージス・アショアの日配備がどれほどアメリカの国防強化や軍事費削減に役立つか、1980年代の中曽根康弘元首相による「不沈空母」発言を引き合

    秋田魁新報「イージス・アショア」報道編② 「主張ありき」ではなく「ファクト」を|地方メディアの逆襲|松本 創|webちくま
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    zu2 2020/08/22