2020年9月21日 水野義之(京都女子大学) 要旨: 本稿では、新型コロナウイルスの感染者数が、一度増加に転じた後、ピークアウトする時期を予測するための、簡便な方法について解説する。この方法は統計誤差が小さいことが必要である。このため大都市圏など感染者数が多い場合に使うことができる。事例として2020年8月のピークアウトの予測を東京都、大阪府、神奈川県の場合に、約2週間前にできることを示した。 ただし今後、本稿で想定していない社会変動やメディアの報道姿勢の変化(例えば日本のマスメディアも実効再生産数Rを報道する等)、あるいは国民の行動変容の考え方の変化、等が起こる可能性もある。その場合は本稿の方法は使えない可能性がある。しかし本稿で解説した考え方は、おそらく一部を変更して使える可能性もあることに注意したい。 1.はじめに:感染者数の増加とマスメディア 1.1 感染者の増え方のパターン 2