文化庁編集『新訂公用文の書き表し方の基準(資料集)』には「内閣に係る公用文における拗音及び促音に用いる「や・ゆ・よ・つ」の表記について(通知)」という文書が収められています。これは1988(昭和63)年に出されたもので、「内閣に係る公文書」について次のように言っています。 ……従来、大書きにするか小書きにするか、必ずしも統一されていませんでしたが……漢字に付ける振り仮名(ルビ)を除き、拗音及び促音に用いる「や・ゆ・よ・つ」はすべて小書きとすることといたします…… ほんの30年ほど前まで拗促音を表すのに、小さな「や・ゆ・よ・つ」を使わないこともあった、というのは私にとって驚きでした。そこでこの仮名遣いというものについて、少し調べてみました。文化庁のサイトにあがっている文章などを読むと問題自体は専門的で難しいですが、単純に「見た目」のレベルでもいろいろ興味深い点がありました。例えば明治時代に一