三国志の英雄、曹操(そうそう)。魏(ぎ)・呉(ご)・蜀(しょく)の三国の中で事実上トップの国力をもっていた魏を一代で興した英傑です。 赤壁(せきへき)の戦いで足止めを食わなければ、『三国志』はそのまま曹操が天下を取って終わりになっていたかもしれないという程、中国統一にあと一歩の「王手」まで迫った人物でした。 ところがその後の民間伝承や、それをもとにした『三国志演義』では、曹操は劉備(りゅうび)のキャラクターを引き立てるための「悪役」として描かれるのが一般的になってしまいます。 そうした場での描かれ方は、曹操は優れた英雄だったが、同時に残虐かつ冷酷な恐ろしい独裁者、といったところでしょうか。近年、曹操のこうした描かれ方には修正がなされてきてもいます。 むしろ曹操を主役にして三国時代を描こうとするマンガや小説が登場しているくらいです。曹操を正当に評価しようとするこれらの「新しい」描き方に共通す