【ソウル=箱田哲也】韓国の脱北者団体などは2日、ソウル市内で記者会見し、約2カ月にわたって自制してきた北朝鮮への体制批判ビラなどの散布再開を正式決定したと発表した。散布日は、北朝鮮の金正日(キム・ジョンイル)総書記の67歳の誕生日(16日)に合わせ、15、16両日に計30万枚を風船で飛ばすという。 北朝鮮は、韓国の李明博(イ・ミョンバク)政権に対する非難を激化させている。1月30日には「政治・軍事の対決状態を解消する南北合意」をすべて無効にすると宣言。このときも李政権が壊した南北合意の一つとして批判ビラの散布を挙げており、実際に再開されれば、北朝鮮がさらに強硬な姿勢を見せる恐れも指摘されている。 再開を発表したのは脱北者らで作る「自由北韓運動連合」と韓国人拉致被害者の家族らの集まりの「拉北者家族会」。政府・与党は、膠着(こうちゃく)状態にある南北関係を打開するためにも2団体にビラ散布の