【北京=川越一】中国湖南省で発生した交通死亡事故で、シンガポールの市民権を持つ被害者の両親が起こした損害賠償請求訴訟がきっかけとなり、中国国内で外国人と中国人の「命の価値」の差に対する論争が起こっている。 中国紙、中国青年報などによると、2009年3月、同省内の高速道路で、濃霧のため前方で発生していた交通事故の発見が遅れた大型トレーラーがコンクリートミキサー車に衝突、左側車線を走っていた乗用車が巻き込まれ、乗っていた陳鋭さんが死亡、同乗の4人が負傷した。 陳さんはシンガポールに留学し、その後市民権を得た中国人で、両親は多大な精神的苦痛と経済的損失を受けたとして、同年4月、トレーラーの運転手らを相手取り、400万元(約5200万円)の損害賠償を求める訴訟を同省衡東県人民法院に起こした。同法院は同年末、運転手らに約80万元(約1千万円)の支払いを命じる判決を下した。 中国では外国人が交通事故で