布川事件の控訴断念を明らかにした、水戸地検・猪俣尚人次席検事の7日夕の記者会見での発言内容(要旨)は次の通り。 ◇ 判決内容を精査・検討した結果、強盗殺人事件について無罪を言い渡した再審判決に対して、控訴をしないこととした。 この事件は1978年の最高裁決定で無期懲役の有罪が確定した。再審の公判においては、新規証拠とされている近隣住民の証言、法医鑑定結果などが証拠採用された。検察としては、これらの証拠については確定有罪判決の事実認定を揺るがすようなものではないと判断し、有罪の立証活動を行ってきた。 結果として無罪ということだが、再審判決の事実認定については、違和感を覚える点がある。ただ、事件から40年以上経過しており、補充捜査をしても新たな立証を行うのは困難であり、無罪判決を覆せる見込みが立たない、という判断に至った。控訴を断念することを決断した。 検察としては、担当検察