<トランプとの首脳外交はロシアン・ルーレットのようなもの。運悪く弾が当たらないよう同盟国首脳はホワイトハウス以外の交渉窓口を求めているが、それは効果的なのか> 先週のジェームズ・マティス米国防長官による日本訪問は、ほぼ完璧な内容だった。安倍晋三首相と稲田朋美防衛相からは、日本が防衛費を自主的に増やし、新型の防衛システムの日米共同開発を目指す趣旨の発言を引き出した。日本政府の期待にも答えた。尖閣諸島はアメリカの日本防衛義務を定めた日米安全保障条約第5条の適用範囲だと明言し、尖閣諸島への攻撃は日米同盟への攻撃とみなすと言質を与え、日本側を大いに安堵させた。 次の舞台は、2月10日に米ワシントンで開かれる安倍とドナルド・トランプ米大統領の首脳会談だ。安倍周辺は当初、トランプもマティスと同じ安心感を与えてくれるはずだと考えていた。尖閣諸島への安保条約第5条の適用や、沖縄に駐留する米海兵隊の基地移転
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