経団連の榊原 定征 ( さだゆき ) 会長は26日、政府と経済界の代表が意見交換する「官民対話」で、業績が拡大した企業に対し「今年を上回る賃金引き上げを期待する」との考えを表明した。 2015年の春闘では定期昇給とベースアップ(ベア)を合わせて2・52%の賃上げが実現した。榊原氏は会議後、記者団に「ベアや定昇、手当やボーナスも含めて年収ベースでの賃金引き上げを求めていきたい」と述べた。 政府はデフレ脱却に向けて経団連に継続的な賃上げを求めており、それに応える。実現すれば3年連続の大幅な賃上げとなる。連合は16年の春闘で、15年春闘並みの賃上げを求める方針だ。経団連はそれを上回る賃上げに踏み込んだ。 一方、榊原氏は会議で、現在約70兆円の企業の設備投資額が18年度には80兆円超に増えるとの見通しを示した。その前提として、政府に対して法人税率の引き下げや規制改革などに取り組むよう求めた。