ブランディングに携わる者として、今回の震災をその視点から捉えてみたいと思います。 ポイントは下記の3つと考えます。 1)「ジャパンブランド」の顕在化と毀損 2)「コモディティとブランド」の関係 3)震災対応における「コーポレートブランディング」 今回の震災において、長期的な視点から最も深刻な問題の1つがジャパンブランドの毀損です。世界で最も安全に対しての要求水準が高く、それに対応した価値基準や技術力を持っていることで築かれたジャパンクオリティというブランドは、残念ながら原子力発電所の事故によって完全に否定されてしまいました。したたかさと論理性を欠いた政府の言動とメディアの煽動により、それがより悪い形で世界に流布していきました。 長い年月を掛けて築かれてきたジャパンブランドは、これまで多くの日本人自身に強く認識されていませんでしたが、皮肉にも今回の震災により、より多くの日本人に印象づけられる