【ビジネスの裏側】 業績悪化に苦しむ関西電力が、経営効率化のため社員向け保養所の全廃を決めた。関電に限らず、経営難の企業は赤字の保養所を相次いで閉鎖している。その一方、保養所を一般観光客が低料金で利用できる宿泊施設に再生させるビジネスが急成長している。「お荷物」になった保養所を有効活用したい企業にとって、「救世主」になるか−。 〔フォト〕「四季倶楽部 京都加茂川荘」の静かな中庭 ■保養所を知らない若手社員 関電は4月からの電気料金値上げに伴い、平成25〜27年度の間、年間平均1553億円のコストをカットする。その一環で、保養所「須磨クラブ」(神戸市須磨区)と「あかぐり崎クラブ」(福井県おおい町)の閉鎖を決定。関電の保養所はゼロになる。 「夏休みに子供を連れて行ったなあ…」 須磨クラブを利用した管理職の男性は感慨深げにため息をついた。神戸の須磨海岸のすぐ近くで、テニスコートも完備