津波被害を受けた宮城県岩沼市沿岸の農地を再生させようと、地域活性化に取り組む東京の非営利組織(NPO)が、熊本県の干拓地で栽培されている塩分濃度の高い土壌で育つ「塩トマト」の苗を植える計画を進めている。 塩トマトは、熊本県八代市などの干拓地で栽培されている。直径が約4センチと小ぶりだが、土壌の塩分やミネラル分の作用で味が凝縮され、糖度は通常のトマトの2倍あり、高価格で取引されている。 NPO「農商工連携サポートセンター」(東京)が6月4日、海水につかった15アールの農地を農家から借り受け、仕入れた苗400株を植える。被災地の現状を多くの人に知ってもらおうと、公募した首都圏などの約40人も参加する。収穫したトマトは即売会で販売し、売上金を被災地支援に役立てる。岩沼市政策企画課は「農業立て直しのきっかけにもなる」と歓迎する。同センターは今後、塩害に悩む同県南部の名取市や亘理、山元町でも塩トマト