佐賀大学農学部の研究グループは、根から塩分を吸収する特性がある植物「アイスプラント」を使い、中国の塩害対策に乗り出す。被害が深刻な黄河上流域の甘粛省から招聘(しょうへい)され、砂漠化防止の土壌改良へ向けた交流を始めており、年内にも現地で試験栽培を実施する。 アイスプラントは南アフリカ原産で、ザクロソウ科の一年草。ホウレンソウ大の葉をつけ、根から塩化ナトリウムを吸収し、茎や葉にある袋状の透明な細胞に蓄積する。塩を吸収する能力は約1キロの個体で約14グラムと高く、乾燥などにも強い。 佐賀大の熱帯作物改良学研究室は、干拓地の塩害対策への活用を探るとともに、塩味の新野菜として「バラフ」の名称で商標登録している。 その研究に、甘粛省の科学院地質自然災害防止研究所が注目。同省では温暖化の影響もあり、極度の乾燥で地中の水分が奪われ、地表に塩がたまる農地が拡大。砂漠化にもつながるため、アルカリ土壌の