福島県を中心に東北地方や関東地方の8県で実施されている除染をめぐり、全国各地の業者から非科学的な怪しい技術の売り込みが横行している。環境省は簡易審査を導入し、一定の信頼性を保証した除染技術を速やかに公開するポータルサイトを6月末にも設置し対抗する方針だ。 「放射能を消す超能力があるので、試させてほしい」。原発事故後、約40件の売り込みがあった福島県浪江町。全国各地の業者や自称発明家の営業が続いているという。その大半は「奇跡の砂」「未知の菌」など科学的な根拠の乏しい“新技術”だ。福島県大熊町では今年4月、「太古の微生物が生体核融合を起こし放射能が消える」という触れ込みの粉末が持ち込まれた。土壌に粉末や水溶液をまく実験に付き合ったが、案の定、効果は確認できなかった。 担当者は「善意の申し込みなのか、金もうけに利用されているのか判断できない。今後、売り込みは全て断るつもり」と話した。環境省、東電