日本の刑法には、責任能力がない者の行為は罰しない、という制度があります。 この責任能力の制度に対しては、賛否両論があるようで、インターネットで「責任能力」というワードを検索すると、「責任能力の制度なんていらないのではないか」というページがヒットします。 では、そもそも、なんで責任能力がないと処罰できないのでしょうか。また、実際にどれくらいの人が、責任能力なしとして処罰されていないのでしょうか。 簡単にご紹介したいと思います。 ■そもそも、なんで責任能力がないと処罰できないのか? なんで責任能力がないと処罰できないのか。この点について、通説的見解では、次のように説明されています。 やってよいことと悪いこととを区別し、悪いことをしないでいられたにもかかわらず、あえて悪いことに踏み切った、すなわち犯罪を行ったからこそ、その人を非難し、処罰することができる。 それならば、精神の障害により、善悪の区