ジョルダン博士:オキシトシンは、母親が出産時に出すホルモンです。それがギャバという神経伝達物質の役割を変えます。難産の妊婦の出産を誘発する際、人工的にオキシトシンが投与されることがあります。 それで、オキシトシンが自閉症の発症に関わっているのではないかという仮説があるのですが、答えは出ていません。ただ、動物実験でそういう可能性があるという論文があるのは事実です。 山﨑会長:実は日本でも、東京大学がオキシトシンについての研究を発表し、これは新聞にも載りました。自閉症の診断を受けた成人男性に、スプレーで鼻からオキシトシンを投与したところ、脳の活動が有意に上昇して、対人コミュニケーションが有意に改善したという結論でした。被験者の数は40例ほどだったと思いますが。 先ほど動物モデルの話が出ましたが、こういう研究で非常に注意しなければならないのは、自閉症はあまりにも多彩な症状があるということです。コ