兵庫県警の警察官が知的障がいのある男性のDNAを本人の同意なく採取したことは、人権侵害にあたるとした裁判が始まりました。 身体的・精神的苦痛を受けたとして兵庫県に165万円の損害賠償を求めているのは、重度の知的障がいがある西宮市の男性(39)です。訴状などによりますと、男性はおととし10月、公園のそばにある地蔵尊に備え付けられたろうそくなどに火をつけビニール袋を燃やしていたところを通報され、駆けつけた警察官に西宮署に連れて行かれました。その後、男性本人や付き添っていた父親に詳しい説明がないまま、警察官にDNAを採取されたということです。 原告側は「容疑内容は軽犯罪法違反でDNAまで入手する必要はなく、男性が受けた苦痛は甚大」と主張しています。 「軽犯罪法違反なのにどうしてDNAを採る必要があったのかというのは非常に疑問。根底は障がいのある人に対する理解のなさ、偏見です」(辻川圭乃弁護士)