「公認心理師」という新しい国家資格をご存じですか。心の健康をサポートし、医療や教育などの分野で活躍が期待されています。昨年、初めての国家試験があり、約2万8千人が合格。ただ、新資格が今後どんな現場でどう生かされるのか、具体的にはこれからです。臨床心理士とは何が違うのか。頼れる身近な存在になるのか。みなさんと考えます。 ■心理職を国家資格化 「再発のうつ病が軽度で済んだのは、最初の発症時のカウンセリングのおかげだと思います」。関東の大学教員の50代男性はそう振り返ります。研究チームの仕事と自らの博士論文の執筆が重なった15年ほど前、朝起きても出勤できないほど気分が落ち込み、精神科を受診しました。 投薬中心の治療で症状は一進一退が続き、医師にカウンセリングによる心理療法を勧められました。 「思いついたことを話す方式で、カウンセラーの先生は時折、言葉を挟むだけ。でも、不思議に自分の心に整理がつく