受賞作品のクレジットに、性暴力加害者の名が 第44回日本アカデミー賞の授賞式が3月19日に行われた。正直に言ってこの賞の行方に興味をもったことは一度もない。今年はただ、多くの部門に『男はつらいよ お帰り 寅さん』がノミネートされているのを見て、1年以上前に感じた違和感が急によみがえった。 私は2020年の年始、1月2日に東京・池袋のグランドシネマサンシャインで『男はつらいよ お帰り 寅さん』(山田洋次監督、2019年12月27日公開)を観た。『男はつらいよ』シリーズの50作目にして22年ぶりの新作となったお正月映画は、こんな物語だ。 すでに中年になっている満男(吉岡秀隆)は、サラリーマンを辞めて小説家になった。7年前に妻をなくし、中学生の娘と二人で暮らしている。満男は新作のサイン会で、一時帰国中の初恋の人・泉(後藤久美子)と再会する。泉を連れて帰った帝釈天の「くるまや」はカフェに様変わりし
![ハラスメントの中で生まれた作品をどう評価すればいいのか(西口 想) @gendai_biz](https://cdn-ak-scissors.b.st-hatena.com/image/square/0bf316f06ab0f3bccdc32685eff042ae536a5fc4/height=288;version=1;width=512/https%3A%2F%2Fgendai-m.ismcdn.jp%2Fmwimgs%2Ff%2F6%2F1200m%2Fimg_f60d27efaed925c7c7f58cc187fffcf334724.jpg)