褒めて子どものやる気を引き出し、叱らないことで親の負担も軽減する子育て法が、佐賀県内で実践されている。さまざまな課題を抱える子どもたちの問題行動が改善され、子育てに悩む親も前向きになれたとの報告も。多様な子育て法がある中で、取り組みの成果が注目されている。 臨床心理学に基づき豪州の大学教授が開発した「トリプルP」=ズーム=と呼ばれる子育て法。専門講座を受けた行政や医療、福祉関係者らが、子どもの問題行動を予防・改善するための「大げさな愛情表現」や「小さな問題行動に対する計画的無視」など、17の“コツ”を教える。 「仕事と家事の忙しさから叱ることが多くて」。周囲にアドバイスしてくれる人もなく、初めての子育てで悩んでいた佐賀市の南里紀代美さん(39)は実践者の1人だ。 4歳の長男が話しかけてきた時は手を止める。かんしゃくを起こした時は数分間無視する。「『こんなことをやっていいんだ』と余裕ができて
不登校や発達障害がある生徒の受け皿となる高等専修学校「佐賀星生学園」が14日、佐賀市多布施に開校した。1期生は16~22歳の41人。同じ悩みを抱える仲間と新たなスタートを切った。 入学式では、加藤雅世子校長が「個性を大切に意欲や能力を引き出し、一つ一つ目標に近づけたい」とあいさつ。小学2年から中学卒業まで不登校だった女子生徒(16)は「先が見えない不安で親に心配をかけたが、自分で入学を決め、誇りに思っている。仲間と新しい学校生活を送りたい」と目を輝かせた。 いじめに遭ったり、高校を中退した生徒もおり、教育支援だけでなく精神保健福祉士や養護学校で教諭経験があるスタッフが生活支援を行う。保護者の一人は「ここで自信を取り戻してほしい」と話した。
知的障害者の安永健太さんが警察官に取り押さえられた直後に死亡した事件の刑事裁判で、遺族を支援する「安永健太さんの死亡事件を考える会」が15日、警察官側の弁護人に対し、「会が証人に圧力を加えると言われては見過ごせない」として経過説明を求める質問書を手渡した。 この問題では、警察官側の弁護人が「一部の証人候補者に対して支援団体の一員を名乗る者から証言しないようにと圧力を加えられた事実がある」とする意見書を裁判所に提出。これに対し、遺族側弁護人は「悪意と中傷に基づいた主張の撤回を求める」との意見書を出している。 警察官側の弁護士事務所で「考える会」は、「われわれの調査では圧力を加えた事実は確認できない。具体的に示してほしい」とする質問書を手渡し、26日までに文書で回答するよう求めた。 安永さんの自宅で会見した代表世話人の村上光代さんは「この3年間、少しでも多くの情報を集めようとしてきたこの会が証
知的障害者の安永健太さんが警察官に取り押さえられた直後に死亡した事件で、特別公務員暴行陵虐致傷罪に問われた佐賀県警巡査長松雪大地被告(30)の第3回公判が8日、佐賀地裁(若宮利信裁判長)で開かれ、検察官役側の証人として出廷した目撃者の女性が「警察官が健太さんを殴っているように見えた」と証言した。 女性は現場の交差点を乗用車で通り掛かり、信号待ちの間に取り押さえ場面を目撃。「警察官は健太さんの上に乗るようにして3回腕を振り下ろした。殴っているように見えた」と証言した。「振り下ろす時、グー(握り拳)に見えた」とし、「抵抗する健太さんの腕をつかもうとする行為とは違う」と述べた。 女性が「(拳が健太さんの体に)当たる瞬間は見えなかった」と話したことから、被告側弁護人が「当たったかどうか見ていないのですか」と聞くと、女性は「数秒間のことで、体のどこに当たったのか分からない」と答えた。 女性は希望によ
発達障害児(者)の支援を行うNPO法人「それいゆ」に開設当初から携わる服巻智子さん(51)=佐賀市=が「子どもが発達障害?と思ったら~ペアレンティングの秘訣(ひけつ)」を出版した。障害のある子どもを持つ親に30年以上寄り添ってきた経験から、「障害は誰のせいでもない。一人の人間として人生を楽しんで」と語りかけている。 同著は5部構成。子どもが発達障害だと感じたときの周囲への対応について紹介し、日々のストレスとの付き合い方などにも触れている。 発達障害は社会的な問題行動として症状が現れるため、「『親の育て方』を問う考え方がいまだぬぐいきれていない」といい、温かいイラストとともに発達障害の子どもを抱えるお母さんたちへの心配りでいっぱいだ。 服巻さんは佐賀大在学中の18歳の時、初めて自閉症の子どもと出会い、親や家族の苦悩を垣間見た。以来、発達障害を抱える人と家族に寄り添い支援してきた。 「子どもの
行きつけの飲食店とトラブルになり火をつけたとして、現住建造物等放火未遂罪に問われた佐賀県唐津市宇木、無職草場通江被告(33)の第1回公判前整理手続きが19日、佐賀地裁(若宮利信裁判長)であった。県内の裁判員裁判で争点や証拠を絞る同手続きが開かれたのは2件目。 地裁によると、手続きには草場被告も出席。弁護側、検察側の双方が公判で主張予定の内容を提示したほか、それぞれが請求した証拠に対して意見を述べた。 手続き後、弁護士が取材に応じた。起訴内容の行為自体は争わない方針だが、草場被告への接見や関係者の話などから「被告には知的障害が疑われる」と述べた。知的障害の有無や程度を示す客観的資料はないという。 裁判員裁判の対象となることについて、弁護士は「知的障害が犯行動機の形成にどんな影響を与えたのか、判断は自分たちでも難しい。裁判員にどう理解してもらうか、まだ白紙の状態」と話した。 起訴状によると、草
佐賀市の路上で2007年9月、知的障害者の安永健太さん=当時25歳、同市木原=が警察官に取り押さえられた直後に死亡した問題で、遺族から付審判請求された警察官5人について、佐賀地裁(神山隆一裁判長)は3日までに、うち一人を特別公務員暴行陵虐罪で審判に付す決定をした。残り4人への請求は棄却した。 警察官は起訴したとみなされ、地裁が指定した弁護士が検察官役を務める形で、刑事事件として審判が行われる。 請求書によると、当時の佐賀署員5人は同年9月25日午後6時過ぎ、佐賀市南佐賀1丁目の路上で、安永さんを挙動不審者として追跡し、取り押さえて殴るけるの暴行をし、後ろ手に手錠をかけて死亡させた、としている。 安永さんの父、孝行さんは特別公務員暴行陵虐致死容疑で警察官5人を告訴したが、佐賀地検が昨年3月、警察官の行為は「保護行為」と判断し、嫌疑なしの不起訴処分にした。孝行さんはこれを不服として同年4月、佐
リリース、障害情報などのサービスのお知らせ
最新の人気エントリーの配信
処理を実行中です
j次のブックマーク
k前のブックマーク
lあとで読む
eコメント一覧を開く
oページを開く