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ブックマーク / d.hatena.ne.jp/hibigen (18)

  • 母乳についての私の経験 - 幻 想 の 断 片

    やっと客観的に振り返ることができるようになってきたので、記録しておく。日小児科学会では、様々なメリットをあげ、母乳育児を推進している。小児科医としてトレーニングを積んできた私が、子どもは母乳で育てたいな、と思うことは自然なことだった。しかし、簡単にはいかなかった。まず、生まれた赤ちゃんが早産低出生体重児だったこと。生下時体重が2000gを大きく下回っていた娘は、直接私の乳首から飲めるようになるまでに3週間を要した。それから、私が産褥期に体調を大きく崩してしまったこと。必死で搾乳していたが、一時はほとんど母乳が出なくなってしまっていた。母乳が出なければミルクで育つ。それでいい、と思う。今は。けれど、産後すぐの混乱した頭では、そういうふうに落ち着いては考えられなかった。母乳が出ないことは何よりも苦しかった。罪の意識が私を苛んだ。NICUに入院中の子どもに母乳を届けること、飲んでもらうことは、

  • おサケについてのまじめな話(西原理恵子、月乃光司、小学館) - 幻 想 の 断 片

    西原理恵子月乃光司のおサケについてのまじめな話 アルコール依存症という病気作者: 西原理恵子出版社/メーカー: 小学館発売日: 2010/07/01メディア: 単行購入: 5人 クリック: 314回この商品を含むブログ (5件) を見るアルコール依存症の夫と暮らした経験のある西原さんと、アルコール依存症から立ち直った経験のある月乃さんの共著。100ページくらいのうすいだ。私は小児科医なので、直接アルコール依存症の治療に携わることはないが、ここ数年、児童相談所や児童養護施設絡みの仕事をすることが多くなり、必然的に「家族の問題」に触れることが多くなってきた。「お酒」が原因で壊れてしまった家族は、確かに存在する。アルコール依存症は、病気である。成人男性の50人に1人。少なくはない。そして、10年生存率は50%。死に至る病なのである。前半の、アルコール依存症になり変わってしまった鴨ちゃんに疲労

    AFCP
    AFCP 2010/07/18
    大事なお話。親の物質使用障害への対処は児童福祉の大きな課題だな。大人の精神疾患としての治療の基本方針との整合性を保つのが難しい。家族の分離と底つき、そして再統合についても考えさせられる本。
  • 不登校、選んだわけじゃないんだぜ!(貴戸理恵、常野雄次郎、理論社よりみちパン!セ) - 幻 想 の 断 片

    不登校、選んだわけじゃないんだぜ! (よりみちパン!セ)作者: 貴戸理恵, 常野雄次郎出版社/メーカー: 理論社発売日: 2005/01/20メディア: 単行不登校のことをずっと考えている。今、不登校の子どもを診る小児科医として。それから、死ぬほど学校を嫌いながらも、歯をくいしばるように学校に行きつづけた自分自身の問題として。このの著者は二人とも私と同世代で、不登校当事者。自身の体験を元に不登校論を展開していくが、そこにはたくさん矛盾が含まれている。学校が怖いつまらないし、どうして行かなきゃいけないの?「私は学校に行けない、じゃなくて行かないんだ!」「選んだわけじゃない、当は行きたかった」と、貴戸さんの主張は読み進めるごとに変化していき、前の章で言っていたことがその都度覆され、読者は戸惑う。論理的にはところどころ破綻している。でもそれが、「不登校」の質であり、30をすぎた人にさえ

  • 医師の転勤 - 幻 想 の 断 片

    3月いっぱいで大学院を卒業するため、再び大学医局に就職する手続きをとった(私は院入学時に退職金ゼロで退職している)。身分は、「病院助教」。少し前まで講師>助手>病院助手といっていた部分の、最下層にあたる。ここから再スタートだ。と同時に、少し遠い病院への派遣が決まった。このあたりのシステムは複雑で、説明しにくい。こういう質問が出るくらい。→医師の方に質問です。異常に転勤が多いサラリーマン医師はなぜなんでしょう? 私の弟は、医局に属している(?医局制度って、なくなったんでしたっけ)内科医なんですが、.. - 人力検索はてな私は「大学小児科」に所属しながら、派遣先へとりあえず1年の契約で出向する。基的には、派遣先の上司の指導のもとで仕事し、お給料もこの派遣先からいただくことになるが、私は大学の人間でもあり、週に1回は「研究日」をとって大学病院で仕事もする。新しい勤務先は、重症心身障害児施設兼リ

  • 学位審査 - 幻 想 の 断 片

    無事に終わりました。プレゼン30分、質疑応答30分、その後発表者はいったん退室して審議(長く感じましたが10分くらい)、再度呼ばれて、審査委員長からの講評、という流れ。1月に提出済みの論文は、概ね大丈夫そうです。細かいところの手直しは必要ですが。いろいろと不完全な部分もあったし、もう少し続ければ結果が出るかもしれない(出ないかもしれない)微妙な部分もあったのですが、限られた時間の中で、「ピペットの持ち方」からスタートした素人研究者の到達地点としては、このくらいが精一杯だったと思います。分子生物学の基的手技をいろいろ覚えましたが、ライゲーション、トランスフォーメーションの流れは高校時代からやってみたかったことなので楽しかったです。他には、数日かかる上に微量ですが被曝があってみんなに嫌われているノザンブロット、サザンブロットも好きで、一人でやってました。あと地味にリアルタイムPCRが楽しかっ

    AFCP
    AFCP 2009/02/03
    おめでとうございます。
  • 森に眠る魚(角田光代、双葉社) - 幻 想 の 断 片

    森に眠る魚作者: 角田光代出版社/メーカー: 双葉社発売日: 2008/12メディア: 単行文教地区と呼ばれる町に暮らす、5人の専業主婦たち。子どもの幼稚園入学を機に知り合った彼女たちは、最初は意気投合し、「○○くんママ」みたいなたわけた呼び名を使わず当の名前で呼び合い、友情を築いていく。しかし、有名小学校への受験に対する価値観の違いから、醜い情報戦が始まり、さらに第2子が生まれないことで覚える疎外感、「みんなと違う」ことでパニックになる母、それを敏感に感じ取る子どもなど、さまざまな問題が浮かび上がってくる。その中で、みんなが「お受験」に必死なのに、一人自分の娘を子役モデルにしたくてはしゃぐ繭子だけは毛色が違い、複雑な戦いに巻き込まれていないが、そのマイペースぶりがさらに他人の家庭を壊す引き金になったりする。自宅周辺のこと、日常のことしかかかれていないのだけれど、変わっていく人の心、人

  • この世でいちばん大事な「カネ」の話 (西原理恵子、理論社よりみちパン!セ) - 幻 想 の 断 片

    この世でいちばん大事な「カネ」の話 (よりみちパン!セ) (よりみちパン!セ)作者: 西原理恵子出版社/メーカー: 理論社発売日: 2008/12/11メディア: 単行自分に子どもがいて、中学生くらいになったらぜひ読んでもらいたいと思うだ。貧しかった生い立ち、DV家庭の中で覚えた悲しみ、高校中退にいたる経緯と大人への不信、自分の力でお金を得るようになるまでの戦い、そして現在、息子と娘を持つ母親としての視点。中高生向きに平易な文章で語りかけながらも、経験に基づいたその言葉は真摯で深い。世の中の多くの人は、カネのハナシをしない。 特に大人は子どもに、「お金の話をするのははしたない、下品なことだ」と言って聞かせたりするよね。でも西原さんは、「お金」を通してみた人生のお話を、目を背けることなく書いていく。「人間はお金がすべてじゃない」「しあわせは、お金なんかでは買えないんだ」っていう、アレ。

    AFCP
    AFCP 2008/12/19
    ちょっと外れるけど、自閉症スペクトラムの子どもを育てるときにお金の使い方と稼ぎ方を教えることは、とても優先順位が高いと思ってます。僕の外来はいつもお金の話(笑)。
  • 首相までいうか - 幻 想 の 断 片

  • 心が折れることば - 幻 想 の 断 片

    時間がたってあちこちで糾弾する意見が出揃ってきて、それでも私の心にはずっとひっかかっている。「政治の立場で申し上げるなら、何よりも医者のモラルの問題だと思いますよ。 忙しいだの、人が足りないだのというのは言い訳にすぎない」(二階俊博経産相)失言、ではなくて、当にそう思っているということの露呈だろうなあ。そして某虫じゃないけれど、表立って言う人がこの人だけだったとしても、そういうふうに思っている人がその何十倍もいるってことなんだろうなあ、と思う。「私は完璧な人格者です。モラルには自信があります。」といえる人は、医師に限らずどこにもいないだろう。(いたら逆にモラル的に心配な人格かも。)私は普通の人間だから、体力や気力には限界がある。可能な限り誠実に患者さんに接してきて、自分なりの「モラル」を守って働いているし、私の知っている限り小児科や産科の他の医師たちだってそうしているけれど、そうしてもど

  • ドラマ「小児救命」 - 幻 想 の 断 片

    最初に断っておく。見ていないし、今後も見る予定はない。テレビ朝日|小児救命「24時間、365日働く小児科医」がなんでこんなバッチリメイク、束ねてないロングヘアなんだ。あのつやつやグロスはいつ塗ってるんだ。という最初の見た目でつまずいた。朝、ファンデーションを塗ってそれなりにメイクして出勤しても、12時間救急外来をやると汗と皮脂でどろどろになってしまう。24時間後には、くすみも吹き出物も加わって、ここには書けないくらいの状態に。あまりにみっともないので、30を過ぎてからは当直の日はファンデをやめた。下地と「水おしろい」だけ。小西真奈美のようなきれいな女医さん、はどう考えてもできないので、せめて清潔感だけでも…。「子どもに囲まれて笑顔」みたいな、きれいな仕事じゃない。吐瀉物も排泄物もつくし、いつも汗びっしょり、いい大人がこっそり泣いたり疲れてその辺のソファで倒れてたりする。それが「美談」になっ

  • SIGHT 10月号 - 幻 想 の 断 片

    SIGHT (サイト) 2008年 10月号 [雑誌]出版社/メーカー: ロッキング・オン発売日: 2008/08/30メディア: 雑誌特集「日の医療はなぜ私たちを楽にしてくれないのか」。タイトルだけ見ると医師叩きの患者視線のようだが、中身は医療崩壊の現実についてかなり公平に書かれている。当初は「なぜこんなに待たされるのか」「待った挙句の3分診療の問題」など批判的な記事を書くつもりだったという。しかし、インタビューを進めるうちに、医療崩壊の危機を実感し、急遽取材の方向性を変えたとのこと。どこまで当かわからないが、「聞く耳をもっている」ジャーナリストがいてくれることがなんだか心強い。

    AFCP
    AFCP 2008/09/11
    "当初は「なぜこんなに待たされるのか」「待った挙句の3分診療の問題」など批判的な記事を書くつもりだったという。しかし、インタビューを進めるうちに、医療崩壊の危機を実感し、急遽取材の方向性を変えたとのこと"
  • 凶暴両親(成松哲、ソフトバンク新書) - 幻 想 の 断 片

  • 赤ちゃんは殺されたのか( リチャード・ファーストマン, ジェイミー・タラン、文春文庫) - 幻 想 の 断 片

  • 私は誰の味方なのか。 - 幻 想 の 断 片

    AFCP
    AFCP 2007/06/07
  • 我々は福島事件で逮捕された産婦人科医の無実を信じ支援します。 - 幻 想 の 断 片

  • やりきれない。 - 幻 想 の 断 片

    ■[work][memo]やりきれない。 世の中には色々な教師がいて、「この子は病気じゃないから外来に通わせるな」とわざわざ言いに来た先生がいたかと思えば、先日は「○○さんの行動がまだ良くならないのは、薬が足りないせいじゃないですか?! 一刻も早く何とかして下さい!」と電話をかけてきた先生が……。 懇切丁寧にご説明申し上げたけれど、そもそも相手に理解する気がないので時間の無駄だった。「とにかく、夏休みまでに何とかしてくださいよ!!」といってガチャ切りされた。 たちが悪いのは、この先生は決して悪意があるわけじゃないってことだ。(「主治医の先生に、もっと何とかするよう言ってあげたからね」とあとから保護者に言ったらしい。)1人の子どもに何かできないか考えた上での先生なりの「善意」だと思いたい。 でも、こういう独善的な正義感を振りかざす人というのは正直苦手である。 断っておくけれど、私は学校の先生

    AFCP
    AFCP 2006/06/21
  • http://d.hatena.ne.jp/hibigen/20050813

    AFCP
    AFCP 2005/08/14
    医療ネグレクトの一形態…と言ってはいかんか…
  • http://d.hatena.ne.jp/hibigen/20050530

    AFCP
    AFCP 2005/05/31
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