大阪府大東市の診療所で、不眠症治療などに使われる向精神薬「エリミン」約20万錠がなくなっていることが19日、分かった。近畿厚生局麻薬取締部は押収資料などから暴力団関係者に横流しされた疑いがあるとみて捜査している。 調べによると、この診療所は精神科がないのに平成18年7月からの2年間でエリミンを毎月、1万錠以上仕入れていた。しかし、カルテには月2000錠ほどの処方記録しかなく、少なくとも計約20万錠の所在が不明となっている。 別の捜査の過程で大量の仕入れが発覚。取締部は、紛失の際の届け出を怠った麻薬取締法違反(届け出義務違反など)の容疑で診療所や院長(52)宅、院長の実兄の元事務長(55)宅を家宅捜索し、暴力団関係者に横流ししたことを示すメモを押収した。