これまで「親たちへ 私がひきこもった理由」と「子どもがひきこもりに そのとき、親は……」の2つの連載で、ひきこもり当事者と親の話を紹介しました。この新連載では、支援者や識者などに「ひきこもり」を社会全体で受け止めるためのヒントを聞きます。今回は、娘の不登校をきっかけに30年以上、当事者と親の悩みに寄り添ってきた、伊藤正俊さん(「KHJ全国ひきこもり家族会連合会」共同代表)に、社会と親ができることを聞きました。 不登校は「寂しかったから」 親の苦境を反映 伊藤さんは長く山形県米沢市で牛乳販売店を営んできました。現在は息子に店を譲り、ひきこもり当事者と親を支援するNPO法人を運営しています。 すべての始まりは約30年前、当時小4だった次女が3年間、不登校になったことでした。登校時間になるとトイレから出られなくなり、微熱や腹痛を訴えるようになったのです。いじめなどの明らかな原因は見られませんでし