要旨 理化学研究所(理研)ライフサイエンス技術基盤研究センター健康病態科学研究チームの渡辺恭良チームリーダー(大阪市立大学大学院医学研究科 名誉教授)、水野敬上級研究員(大阪市立大学大学院医学研究科 特任講師)と、熊本大学医学部附属病院の上土井貴子助教らの共同研究グループ※は、小児慢性疲労症候群(CCFS)[1]の患児の脳では、低い報酬しか獲得できなかった場合に、線条体[2]の被殻と呼ばれる領域の神経活動が低下していることを、機能的磁気共鳴画像法(fMRI)[3]を使って明らかにしました。 CCFSは3カ月以上持続する疲労・倦怠感および睡眠・覚醒リズム障害を伴う病気であり、不登校の児童・生徒に多く発症が見られます。CCFSに伴う学習意欲の低下や、記憶・注意力の低下が学校生活への適応を妨げている可能性があることから、病態と脳機能の関係の解明が課題となっています。意欲と密接な関係を持つ脳機能の