単位の扱い、文科省と交渉 ――バカロレア教育の良さについては教育関係者に幅広い合意があると思いますが、日本の教育現場に浸透しにくい課題があります。難しいのは、日本の学習指導要領との両立です。日本の高校で、バカロレアのDPコースに進んでも、日本の学習指導要領で定められた科目もとらなければならず、両立はかなり大変だと聞きました。 私は、2012年にバカロレア機構のアジア太平洋地区の委員になり、現在はバカロレア日本大使を務めています。機構と日本政府の間に入って、この6、7年間、いろいろ調整や交渉をしてきていますが、即座に解決しないといけなかった問題の一つが、バカロレアの単位を日本の学習指導要領の単位と読み替えてもらうことでした。 DPは、すごく勉強量が多いです。教科書がない代わりに、授業前に読み込まなければいけない文献が多く、授業はプレゼンテーションやディスッションが中心です。家庭で膨大な下調べ
