<プーチンを場当たり主義者と見なしてはならない。その世界観、信奉する反欧米的哲学、戦略的アプローチ......。バルト3国で緊張が高まれば、NATOとの間で第3次大戦が始まる危険性が高まる> 気の毒なウクライナ。この国は、地理的条件とプーチンの世界観によって悲劇を運命付けられていた。 互いに対立する超大国の勢力圏に挟まれた国々は、その目的やパワーバランスの変化に翻弄され、常に不安定な存在であり続ける。 世界第2の軍事力を持つロシアのウラジーミル・プーチン大統領は、自国の国境に迫るNATOの拡大を存立の危機と見なした。ウクライナの西側陣営入りを断固阻止する決意を固め、ウクライナ侵攻は許容範囲内のコストで実行可能と判断した。 ウクライナにとってロシアは強大すぎる相手だ。アメリカとNATOはウクライナのために戦うことはないと明言している。 多くの命が失われた後、ウクライナは全体主義国家ロシアの傀