僕はサックス奏者のオデッド・ツールにずっと関心を持っていた。 きっかけは2015年にドイツのENJA/Yellowbirdからリリースされ、国内盤もリリースされた『Like A Great River』だった。 インド音楽にどっぷりハマり、インドにまで学びに行ったオデッド・ツールという名の謎のイスラエル人はサックスの奏法から、音楽のコンセプトまでとにかく斬新だった。これまでに聴いたことのない質感のサックスを吹き、どんなコンセプトで出来ているのかわかるようなわからないような不思議な楽曲をやっていた。そこではイスラエルのシャイ・マエストロやジヴ・ラヴィッツ、ギリシャのペトロス・クランパニスといった現代の名手たちが活き活きと演奏していて、同時に他の作品では聴かれないパフォーマンスを披露していた。そのサウンドは2017年の『Translator's Note』で更に深まっていた。 僕はオデッドの音
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