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ブックマーク / www.vice.com (14)

  • パチモン・レストランをロンドンNO.1レストランに仕立て上げる

    昔々、VICEでライターとして記事を書き始めるずっと前、私は別の仕事をしていた。そのなかでも、今日の私に大きな影響を与えた仕事は、〈トリップアドバイザーで偽レビューを書く〉という仕事だった。いち度も訪ねたことのないレストランの好意的なレビューを書き、報酬は10ポンド(約1500円)。やっているうちに、レビューしたレストランの評価を監視するのに夢中になった。レビューがきっかけで、評価が上がったりもしたのだ。 その経験から私は、トリップアドバイザーは〈偽の現実〉だ、事が提供されたことはない、レビューは全て、私のような雇われライターが書いているのだ――そう信じるようになった。でも、実際はもちろん(たぶん)物だ。そもそも、レストランの存在自体は絶対に偽れない。そうやって自分を納得させたハズだった。 しかしある日、自宅の物置スペースに座っていた私は、突然、天啓を得た。デマ情報ばかりが流れるこの世

    パチモン・レストランをロンドンNO.1レストランに仕立て上げる
  • アラブの若き写真家が切り取る中東の現実

    「中東のことを説明してといわれたら、優しさ、文化、愛に満ちた場所だって答えるよ」と写真家のアリ・アル=シェバビはいう。「残念ながら、西欧のメディアはこの地域について、広く浸透してしまったステレオタイプを報道してる。たとえば、ドバイのイメージはスーパーカーとかハイテクで豪華なビルばかり。でも、そこにはもっと大切な価値観がたくさんある。僕は写真を通して、この地域で実際に何が起こっているかを見せたいんだ」 現在24歳のアリはバーレーンで生まれるが、彼が1歳のときに家族でドバイに移住する。高校を卒業した彼は、石油工学の学位取得を目指すも、すぐに退学。東京でアートとメディアを学び、写真を専攻する。 「東京では、主にストリートシーンの写真を撮っていた」とアリは当時を振り返る。「でも、その後すぐに、多くのひとがアラブ文化について何も知らない、それかすごく表面的な知識しかないっていうことに気づいた」 この

    アラブの若き写真家が切り取る中東の現実
  • エヴァ・ウッソン監督インタビュー。『バハールの涙』で描いた女の戦場。

    この映画の準備の段階で、ヤズディ教徒の女性に取材したそうですね。ISによってレイプされたり肉親を殺されたりといった悲惨な体験をした人たちです。彼女たちに心を開いてもらうために心がけたことはありますか? 私は自分が無遠慮になることにとても恐怖心を抱いていました。トラウマを抱えた人が話をしたがらないのはわかっていました。拉致から脱出した女性たちから話を聞くのですから、私はセンセーショナルな事実のディテールにズケズケ入り込まないように気をつけました。そして相手が話したくなさそうだったら、それ以上は聞かない。沈黙を尊重するのも大事なことでした。とくにレイプについては──。イスラム教は姦淫を禁じていますが、ISは一方的に「婚姻関係」を結ぶことでレイプを合法化しました。そのため、脱出後に女性たちが被害に遭ったことを告白するとISのメンバーと結婚したのと同じにとられる場合があるんです。そういった事情を酌

    エヴァ・ウッソン監督インタビュー。『バハールの涙』で描いた女の戦場。
  • トラウマアニメ『ポピーザぱフォーマー』の真意

    こども・アニメ専門チャンネル〈キッズステーション〉で、2000年に放送された短編CGアニメーション『ポピーザぱフォーマー』。ネットでは〈検索してはいけない言葉〉とされ、子ども向けアニメらしからぬ過激な描写ばかりが話題になる同作だが、監督は、『ポピーザぱフォーマー』で子どもたちに何を伝えたかったのだろうか? こども・アニメ専門チャンネル〈キッズステーション〉で、2000年に放送された短編CGアニメーション『ポピーザぱフォーマー』は、サーカスのカラフルでPOPな世界観、陽気なテーマソング、うさぎの被り物を被った人物と、顔にお面をつけたオオカミらしき2足歩行動物が登場する、なんとも親しみやすいアニメーション作品だ。まさか、子ども向けチャンネルで放送されるアニメーションで、胴体をバラバラに切断したり、顔面にナイフを突き刺したり、縄でトラックに繋がれて引きずりまわされるストーリーが展開されるとは、誰

    トラウマアニメ『ポピーザぱフォーマー』の真意
  • 欅坂46がロックだなんて…

    2017年12月5日、〈欅坂46〉の人気メンバー、渡辺梨加の写真集が発売された。そして、19日には、長濱ねるの写真集が発売される。両写真集がグループ初の写真集であり、メンバー初の水着解禁だ。当然、欅ヘッズたちは、ざわついている。水着解禁を喜ぶいっぽうで、「単なるアイドルではなく〈アーティスト〉である欅坂が、AKBのように水着になる必要性が全く感じられない」という見解も噴出している。先行して公開された、ラコステのポロシャツを捲る、長濱ねるの写真について、「不純で実用性を追求している」というSNSへの書き込みがあった。水着の写真に実用性を嗅ぎ取った気持ち悪さはもちろんだが、何かにつけて欅坂がロックやアートに結びつけられるのにも、違和感がある。欅坂が〈ロック〉扱いされるのは、いったい、どうしてなんだろう。 § 2017年6月24日、幕張メッセで開催された全国握手会にて、平手友梨奈、柿崎芽実レーン

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  • パチモン・ブランドをパリ・ファッション・ウィークで売り込む

    〈Pierre Klein(ピエール・クライン)〉、〈Cuggi(クッチ)〉、〈Lewis Vooton(ルイス・ヴートン)〉…。ガラクタみたいなジュエリー、そして〈I♡大麻〉キャップなどを売るコピー・ブランドは、世界中の露店で主要な売れ筋アイテムだ。私は、数々の露店を見てきたが、そのなかでも、頻繁に遭遇するブランドがある。それが〈Georgio Peviani(ジョルジオ・ペヴィアーニ)〉だ。 明らかにイタリア人男性であろう名前をGoogle検索してみると、この名のもとに発売されたデニム・ジーンズが多数出てくる。しかし、ジョルジオ・ペヴィアーニなんて人物は表示されない。やはり、明らかにただのコピー・ブランドだ。どのブランドのコピーか? 答えはやはり〈ジョルジオ・アルマーニ〉だろう。 しかし、ペヴィアーニはそこから何の利益も得ていないはずだ。なぜなら、ぺヴィアーニのロゴは、アルマーニのそれ

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    AKIYOSHI
    AKIYOSHI 2017/12/04
    これぞジャーナリズム。
  • メタル化するシカゴの名門レーベル THRILL JOCKEY

    この不穏な動きを指揮しているのが、THRILL JOCKEYのオーナー、ベティーナ・リチャーズ (Bettina Richards)女史。レコード屋に行けば、隅から隅までチェックしなければ気が済まないこの音楽狂に、レーベルの謎を訊いた。 若い頃はどんな音楽を聴いていましたか? ニール・ヤング(Neil Young)が当に好きだった。もちろん今も好きだけど。高校の頃は、STYXみたいなイカレた音楽ばかり聴いていた。父のレコードでラジオ局ごっこをしたり、DJごっこをやったり。ミックステープもつくってた。 今のあなたを形成した「これだ!」という音楽との出会いはありましたか? ファンジンに載っているようなアーティストたち。意識して目を通し、自分で探さなければ見つからないような人たちに夢中になった。「ルールなんて必要ない。自分のルールは自分でつくる」そんな感覚かな。それが今も続いてる。 あなたはメ

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  • 大成功も〈副作用〉でしかない21世紀のメタルヒーローMASTODON

    グラミー賞へのノミネートがこれまでに3回、様々な映画への楽曲提供、そしてアルバムを出せば、ビルボードチャートベスト10に必ずランクイン。アトランタ出身のMASTODONは、間違いなく現代を代表するスーパーメタルバンドだ。もちろん最新作『エンペラー・オブ・サンド』も大ヒット。しかしこのスーパー4人組はデビュー当初から何も変わっていないのであった。 メタルバンドへのインタビューはだいたい3通り。まずは電話。続いてメール(これは最悪)。そしていちばん良いのは(つまりいちばんレアなケースという意味だが)、直接会話ができる対面スタイルだ。この場合、ライターとアーティスト(場合によっては複数のメンバー、あるいはマネージャー付き。近しい人たちが同席する場合もあるし、なぜか高校時代の友達3人が参加するときもある)は、楽屋のすみっこに追いやられるパターンが多い。もしくは移動車の最前列の席とか。ある程度大物に

    大成功も〈副作用〉でしかない21世紀のメタルヒーローMASTODON
  • noisey Bompton 犯罪都市コンプトン・ヒップホップ・シーンの現在 ①

    カリフォルニア州南部に位置する街コンプトン(Compton)。アメリカで最も危険な都市の1つとして知られ、2006年の調査では、セントルイス、デトロイト、フリントに次ぐ全米ワースト4位、さらに人口10万人未満の都市では、ワースト1位の犯罪都市と発表された。なかでもギャングの抗争による殺人事件で悪名高く、ロサンゼルスで結成されたブラッズ(Bloods)とクリップス(Crips)のアフリカアメリカ人による「2大ストリートギャング」を中心に、殺人、強盗、麻薬取引などの凶悪犯罪が日常的に発生している。1980年代には、悪名高きギャングスタ・ラップ・グループ、N.W.A.が登場。昨年公開されたグループの自伝映画『ストレイト・アウタ・コンプトン』は、ミュージシャンの自伝映画としては史上最大の興行収入を記録したのも記憶に新しい。一時に比べると犯罪は減少しているが、未だロサンゼルスのガイドブックでは、「

    noisey Bompton 犯罪都市コンプトン・ヒップホップ・シーンの現在 ①
  • ニューオリンズ ヘヴィ・ロック狂想曲(1) PANTERAのフィリップ・アンセルモが語るスピリチュアル・ヒストリー

    深刻なフリをして薄っぺらい音楽を半泣きで演奏するようなヘタレ・ミュージシャンを嫌悪出来る音楽ファンであれば、心底楽しめるシリーズ、編スタート。 ルイジアナ州ニューオリンズ。ヘヴィ・ロックの街。PANTERAのフィリップ・アンセルモから、DOWN、EYEHATEGOD、CROWBAR、CORROSION OF CONFORMITYなどの中心人物がシーンの歴史を語る。メンバーの死、ハリケーン・カトリーナなど様々なトラブルを経て、ヘヴィ・ロック・シーンはどのように再形成されていったのか?ビールと煙と轟音に包まれながら、想い出はこれからも歩き続ける。シリーズ全7回。 原題:NOLA:Life,Death,& Heavy Blues from the Bayou (2014) 『ニューオリンズ ヘヴィ・ロック狂想曲(1)』はフィリップ・アンセルモを軸に、EYEHATEGOD, CROWBAR, D

    ニューオリンズ ヘヴィ・ロック狂想曲(1) PANTERAのフィリップ・アンセルモが語るスピリチュアル・ヒストリー
  • 「声」と「音楽」を武器にISと闘う クルド人女性アーティスト

    IS関連の最新ニュースを読み、椅子に座ったまま怯える以上の何かをしているアナタは、私よりも一歩先にいる。そんな私たちよりも数歩先にいるのは、27歳のポップスター、ヘリー・ラヴ(Helly Luv)だ。飛躍を遂げた、2ndシングル「Revolution」とそのMVで、ラヴはテロ組織に戦闘を仕掛けた。クルディスタンのなかでも、IS占領地からほど近いロケーションで撮影されたMVに、完全武装のヘリー・ラヴが実物の戦車、物のIS被害者とともに登場する。 「クルド版シャキーラ」とも称されるラヴは、イランで生まれ、フィンランドに育ち、現在はLAを拠点に活動している。彼女の家族は、長きにわたりクルド人戦闘部隊に所属しており、母親と祖父は、イラク領クルディスタン自治政府の軍事組織ペシュメルガ(Peshmerga)の著名メンバーであった。ラヴが発する鬨の声はYouTubeで400万回以上の再生数を獲得すると

    「声」と「音楽」を武器にISと闘う クルド人女性アーティスト
    AKIYOSHI
    AKIYOSHI 2016/03/18
    MV4分目に「自由」と漢字で書いた旗が。
  • タワーレコード創業者ラス・ソロモンが語る 音楽シーンの過去・現在・未来

    「若いヤツの社交場がなくなってしまった。街でどこに行きゃいいのかわかんなかったら、とりあえずタワーレコードに行けばよかったんだ」音楽、映像、書籍を扱う大型販売店、タワーレコード(以下、タワレコ)の盛衰を描いたドキュメンタリー映画『All Things Must Pass』(2015)で、ブルース・スプリングスティーンはタワレコへの想いを語った。監督は、俳優のコリン・ハンクス。 スプリングスティーンの言葉は、音楽業界がデジタル化する以前、タワレコを訪れた音楽ファンであれば、誰もが共感できるのではないだろうか。創業から半世紀、タワーレコードは、音楽ファンに商品以上の価値を提供し続けた。アウトローやミュージシャンを夢見みるキッズにとって、最新の輸入盤が手に入り、服装規定がゆるく、共通の話題で盛り上がれる仲間(通常、相手の方が知識豊富である場合が多いが)も見つかるので、人気の就職先となり、店舗数は

    タワーレコード創業者ラス・ソロモンが語る 音楽シーンの過去・現在・未来
  • DJ PREMIERの必聴JAZZ名盤なぜか7枚

    DJ Premierは自身のサンプリングのスタイルについて「予想を裏切るようなネタでトラックをつくりたいんだ」と語る。「他のヤツらは、大ネタをかましたがるけど、俺は、爪のアカみたいなサンプルからトラックを創る。わかるだろ?」 DJ Premierこそ「パイオニア」という称号が相応しいプロデューサーだ。彼は、『Illmatic』(Nas, 1994)、『Ready to Die』(The Notorious B.I.G, 1994)、『Reasonable Doubt』(Jay Z, 1996)など、ヒップホップの名盤にプロデューサーとして名を連ねている。テキサス州ヒューストン出身だが、NYのHIP HOPを語るうえで、彼の名は外せない。 ロイス・ダ・ファイブ・ナイン(Royce da 5’9”)とDJ Premierのユニット、 PRhymeの「Golden Era」では、ジョーイ・バッド

    DJ PREMIERの必聴JAZZ名盤なぜか7枚
  • スレイヤーに魂を売ったトム・アラヤ その価値はあったのか?

    「彼らは私を見て、『パパ、行ってらっしゃい』と見送ってくれる。『私たちは行かなくてもいいのよ。行かなきゃいけないのはパパよ』と母親が口をはさむ。『お前たちにも来て欲しいのだが』とお願いすると、『楽しくないもの。楽しくないのよ、パパ』と断わられる。そして私は『わかった』とツアーに出る」 ジェフ・ハンネマンの死を乗り越え、6年ぶりの新作『リペントレス』を発表するスレイヤー。さらにここ日ではLOUD PARK15への参戦も決定しており、正に帝王の完全復活が目の前に迫っているのだ!!ウォーッッ!! そんなバッチリのタイミングでトム・アラヤのインタビュー。さぞ人も気合い入りまくっているかと思いきや……アララ。トム・アララヤ。かなりお疲れのご様子。いや、ホント、お父さん頑張って欲しい!お父さんは家族のために働いてるんだからね!「ちょっとー!お父さんのパンツと一緒に洗わないでって言ったでしょー!!」

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