「人を審査するAI」のリスクとは? 現金給付アルゴリズムが“暴走”した世界銀行の事例:事例で学ぶAIガバナンス(1/3 ページ) イーロン・マスク氏などを筆頭に、AIの野放図な発展に反対する姿勢を取る人物は多い。AIは強力な存在であるが、何の制約もなく放置していては、大きな悪影響が生じる懸念がある。そのためAI導入を検討する企業の中には、あらかじめ自社が守る「AI倫理」を定めておき、この技術が正しく機能することを担保しようとするところが増えている。 そのAI倫理を構成する要素の一つが「透明性」(Transparency)だ。これは「あるAIがどのように機能するのか」「どのようにして特定の結論に至るのか」が外部からも理解できるようになっている状態を指す。特に後者の透明性は「説明可能性」(Explainability)と呼ばれる場合もある。 例えば、求人に応募してきた志望者の履歴書を読み込ませ