さて、「日本人の脳を活性化するっていうことについての文化は大嫌い」「答えの決まっているドリルをやればすむっていうのは、おかしいでしょ」と宣った茂木先生なんですが、これが川島隆太に向けられた批判であることは容易に推測できますね。 そんな茂木先生も、「文藝春秋」5月号では、こんな発言をしておられます。――茂木さんの近著「脳を活かす勉強法」と、川島隆太・東北大教授が提唱している「脳を鍛える勉強法」とは、同じ脳をキーワードにしていても内容はかなり違うように思います。『脳を活かす勉強法』で最も強調したかった点は何ですか。 茂木 「脳を活かす勉強法」と「脳を鍛える勉強法」は互いを否定しあうものではなくて、それぞれ脳科学の別の側面に注目しています。つまり、脳の学習には大きく分けて「教師ありの学習」と「教師なしの学習」の二つがあるわけです。「教師ありの学習」は、ドリル系の「脳を鍛える勉強法」のようにあらか