以前、扶桑社の「超世代文芸クォリティマガジン」こと『en-taxi』(慶應義塾大学・福田和也ゼミの同人誌的自称クォリティマガジン)で連載中の加藤陽子・佐藤優・福田和也の鼎談を紹介したが(「加藤陽子、「天皇は戦争責任の被害者」史観を語る」)、このシリーズ「歴史からの伝言」の最新号(2011年春号)が凄いことになっている。鼎談のタイトルは「危機下の宰相――原敬と「おとな」の政治」(「Series 歴史からの伝言 vol.5」)。タイトルから予想されるように福島原発「事故」後の情勢を踏まえた鼎談だが、各種の設定はデフォルトで大日本帝国になっている。佐藤の第一声を手始めに、主な妄言を抜き出してみよう(強調はすべて引用者による)。 ●「統帥権の発動」 佐藤 三月十六日に天皇のビデオメッセージがありました。「人々の雄々しさに深く胸を打たれ」たと。この「雄々しさ」という言葉は明らかに明治天皇が詠んだ御製