新型コロナウイルスの感染拡大に伴う休校の長期化を受け、にわかに注目を集めている「9月入学」。政府は課題が多いとして今年の導入は見送る方針だが、思わぬところから推進論者が現れた。元文部科学相の田中真紀子さん(76)だ。何を、どうしようというのか。 「夏目漱石の小説『三四郎』で、大学に入学した主人公はイチョウを目にします。明治時代は秋入学だったんですよ。それが、なぜ桜の季節に変わったか、ご存じですか」 いきなり真紀子さんから問いを投げかけられた。東京・早稲田のカフェ。眼前には、東京大の本郷キャンパス内にある三四郎池ならぬ大隈庭園の池が広がる。親ガモを先頭に5羽の子ガモたちが「社会的距離」を保つかのように一定の間隔をあけて縦一線になって泳いでいた。